謹賀新年/昨年末にツイートした2017年映画音楽ベスト10の理由をご説明致します。

新年あけましておめでとうございます。

昨年は弊社(MYレーベル)10周年、
ワタクシ個人としては映画音楽ライター生活ほぼ15周年の節目の年だったのですが、
おかげさまで平穏無事に、
なおかつ有意義な年を過ごすことが出来ました。

本年も様々なサントラ盤、
様々な映画音楽家の方々をご紹介していければと思います。
本年も何卒よろしくお願い致します。

なおワタクシの簡単なプロフィールについては、
ブログのこちらのページをご覧頂ければと思います。

…というわけで新年一発目のブログで何を書こうかと思ったのですが、
大晦日に「2017年映画音楽ベスト10」のハッシュタグでツイートを投稿したので、
「なぜこのようなチョイスになったのか?」という理由をざっくりご説明させて頂きたいと思います。

 

『スリー・ビルボード』(17)は仕事でマスコミ試写を拝見させて頂いたのですが、
カーター・バーウェルの叙情的でありながらドライで、
マカロニ・ウェスタンのようでもありアメリカーナのようでもある多面的な音楽が素晴らしかった。
3つのテーマ曲のうちのひとつ、“Mildred Goes to War”のパンチのある旋律で観客の心をガッチリ掴んでます。
個人的には今年のアカデミー賞作曲賞はバーウェルさんが受賞してもらいたい。

 

『ブレードランナー2049』(17)はもう、あのアナログ・シンセの音の洪水に完全にヤラれました。
「これはもはや曲じゃないだろう」という楽曲もあったりしますが、
あの世界観にはこういうスコアしかないだろうとも思うわけです。
ジマーさんとベンジャミン・ウォルフィッシュはいい仕事をしたと思いますよ。

 

『gifted/ギフテッド』(17)と『セブン・シスターズ』(17)、
『スイス・アーミー・マン』(16)、『ムーンライト』(16)については、
昨年ブログでいろいろ書かせて頂いたので、
詳しくは過去の投稿をご覧頂ければと。

天才少女メアリーのかわいらしさと聡明さをバランスよく描いた『gifted/ギフテッド』の音楽
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/9022
『セブン・シスターズ』は映画本編も音楽も予想以上によく出来てました、という話。
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/8924
絶品コーラスワークが冴え渡る
『スイス・アーミー・マン』の音楽がクセになる!…というお話。
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/8903
若手作曲家ニコラス・ブリテルが『ムーンライト』で描いた
「ピアノとヴァイオリンのポエム」
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/8513

 

ヨハン・ヨハンソンはブレラン2049の音楽こそ降板することになってしまったものの、
『メッセージ』(16)では素晴らしい音楽を書いていたと思います。
円環文字にインスパイアされた「ループ」「持続音」を駆使した音作りと、
“コミュニケーション”という要素を反映させた「声(ボーカル)」を効果的に使ったサウンドデザインが秀逸です。

 

全編でバリバリのシンセ・スコアを聴かせてくれた『NERVE ナーヴ/世界で一番危険なゲーム』(16)は、
ロブ・シモンセンの引き出しの多さを実感した作品でした。
『NERVE』、『ジーサンズ はじめての強盗』(17)、『ギフテッド』、『The Only Living Boy in New York』(17)と2017年はシモンセンさん大活躍の年でしたね。

 

で、シンセ・スコアといえばダニー・エルフマンの『ザ・サークル』(17)も面白いサウンドでした。
ジェームズ・ポンソルト監督は『人生はローリングストーン』(15)でもエルフマンにシンセ・スコアを書かせていましたが、
今回は予算も増えていろいろ実験的なことをやってくれていたような気がします。

 

『ノクターナル・アニマルズ』(16)はアベル・コジェニオウスキの耽美的な音楽が印象深い。
小説世界でのスリリングなミニマル・サウンドとの対比が秀逸。
ところどころにヒッチコック映画におけるバーナード・ハーマンの音楽を思い起こさせる部分があったりして、
古き良きミステリー映画音楽を近代的にアップデートした感じのサウンドでした。

今年もたくさんの素晴らしい映画音楽に出会えますように。

 

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