『ピッチブラック』(00)などでコアなファンの多いデヴィッド・トゥーヒー監督・脚本、そしてダーレン・アロノフスキーが脚本(原案)・製作を手掛けた2002年作品。第二次大戦中のアメリカ海軍潜水艦内を舞台にした密室スリラー映画。
公開当時はあまりヒットしたという話は聞きませんでしたが、ザ・シネマで放送していたのを久々に見たら、結構面白かった。
「潜水艦に女を乗せるのは不吉」というジンクスを上手く利用したオリヴィア・ウィリアムズのキャラの使い方とか、潜水艦という逃げ場のない場所でジワジワと精神を蝕まれていく乗組員の描写とか、事件の真相の見せ方(『羅生門』風と言えなくもない?)とか、クセ者脚本家ふたりの持ち味がよく出てるんじゃないかと。
映画の中盤で「俺たちは独軍艦なんか沈めてないんだ。沈められたのは実は俺たちの方なのさ」なんて観客のオチ予測を先読みしたかのようなセリフを乗組員に言わせちゃうあたりも、ひねくれ者(多分)のトゥーヒーらしい脚本だなーと思ったり。