『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』『ナイルの宝石』のBANGER!!!音楽コラムの補足

今月ムービープラスで『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(84)と『ナイルの宝石』(85)の放送があったので、BANGER!!!で両作品の音楽コラムを書きました。

80年代サウンドに胸キュン! マイケル・ダグラス出世作『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』『ナイルの宝石』
https://www.banger.jp/movie/63055/

先日twitterでもちょっと書きましたが、ワタクシ以前から『ロマンシング・ストーン』のアラン・シルヴェストリの音楽についていろいろ書きたいなーと思っていました。
しかし国内盤サントラが出ないのでライナーノーツを書く機会もなく、数年前に発売された「20世紀フォックス映画 75周年記念盤」の差込解説書でほんのちょっぴり書いただけでした。
今回の放送の機会を逃したら当分『ロマンシング・ストーン』について書けないぞと思ったので、続編の『ナイルの宝石』と合わせて音楽をご紹介させて頂いた次第です。

そんなわけでまずは『ロマンシング・ストーン』から。

ワタクシは若い頃…というか子どもの頃にこの映画を地上波(日曜洋画劇場とか)で何度も観まして、その時はエレキギターとホーンセクションの演奏が印象的なカーチェイスシーンの曲が好きでした。あとはジョーンとジャックのダンスシーンの曲ですかね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでも恋人同士がダンスを通して心を通わせるシーンがあったので、「ゼメキスはこういう演出が好きなのかな」と思いながら観ていた記憶があります。

ただ、地上波だとエンドクレジットはカットされてしまうので、後年衛星の映画チャンネルで『ロマンシング・ストーン』を観た時、「エンドクレジット曲ってこんなにいい曲だったんだ」と思ったものです。
リズミカルなキーボードをバックに、メインテーマのメロディをゴキゲンなサックスで演奏している粋なフュージョン・サウンドだったのでした。

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最近買った洋楽アルバム(「Back The Way We Came Vol.1」「Utopian Ashes」「The Live Album」「HOTEL TV」)

もう購入してからだいぶ日にちが経ってしまったものもありますが、7月上旬からいろいろ洋楽アルバムを買って聴いてました。

■その1:Noel Gallagher’s High Flying Birds – BACK THE WAY WE CAME: Vol.1

言わずと知れたノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズのベスト盤。
NGHFBのアルバムは全部持ってるから、ベスト盤は買わなくてもいいんじゃないかと思っていたものの、新曲2曲とEPの曲目当てで結局購入。

新曲がよかった(特にバート・バカラック風味のある”Flying On The Ground”がイイ)。
ノエル兄貴自身の曲解説(基本的に自画自賛してるだけ)もこの人らしくて面白い。
ボーナスディスクはアコースティック・バージョンのアレンジがよかったです。
ちなみに自分が買ったのはディスク3枚の輸入盤でした。
(日本盤のボーナストラックにあまり魅力を感じなかったので…)

■その2:Bobby Gillespie and Jehnny Beth – UTOPIAN ASHES

プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーと、サヴェージズのジェニー・ベスによるデュオ・アルバム。

プライマルは割と長いこと聴いてますが、サヴェージズはほとんど聴いたことがなかったので、このアルバムどうしようかなと悩んでいたものの、”Remember We Were Lovers”のミュージックビデオを観たら(聴いたら)すごくよかったので購入。歌詞をじっくり読みたかったので日本盤で買いました。

「愛の崩壊、真のコミュニケーションの不可能性、人生の中で避けられない現実に直面した夫婦の物語」というテーマも自分の好みでした。
アルバム自体はコロナ禍の前にレコーディングされていたらしいですが、前述のようなテーマはまさしく現在の破綻した人間関係を描いていて、歌詞が心に重く突き刺さるのです。「愛が壊れる時なんてこんなもんさ」と言われているような。
ソウルやフォーク・ロック、カントリー・バラードをヨーロッパ的な雰囲気でトリートメントしたサウンドや、ストリングスを使ったアレンジもいい感じ。

学生の頃は「XTRMNTR」のような尖ったプライマルのアルバムを好んで聴いていましたが、ここ数年は「Give Out But Don’t Give Up」を好んで聴くようになったので、今回の「Utopian Ashes」のサウンドも自然に耳に馴染んでいった感じでした。

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最近買ったサントラ(『Stillwater』『ミッドナイト・スカイ』『エイリアン』2枚組完全盤)

東京オリンピックの競技をテレビで見る気にもなれず、世の中の状況がひどすぎてプロ野球の試合(オールスター戦とか侍ジャパンの練習試合)すら見る気がなくなってきた今日この頃。心の支えはもっぱら映画、読書、音楽鑑賞、ときどきEテレということで、いろいろサントラ盤を買いました。

■その1:『Stillwater』(21)

『スポットライト 世紀のスクープ』(15)のトム・マッカーシー監督最新作、『Stillwater』のサントラ。音楽担当がマイケル・ダナさんということで即購入。ダウンロード版のみのリリース。

マイケルさんらしいミニマルなピアノのフレーズが印象的なスコアですが、今回はギター/撥弦楽器と打ち込みのリズム(低音)が結構前面に出ていて、サスペンススコアの要素も強め。ギターを多めに使ったのは、マット・デイモンが演じる主人公のキャラクターを反映した結果でょうか。

『スポットライト』はハワード・ショア、『靴職人と魔法のミシン』(14)はジョン・デブニー&ニック・ウラタ、『WIN WIN』(11)はライル・ワークマン、『扉を叩く人』(07)はヤン・A.P・カチュマレクということで、マッカーシー監督はまだ特定の作曲家を贔屓にしていないようですが、マイケルさんとも今回だけなのか、次作でも組むのか注目したいところです。

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