BANGER!!!で書いた『ストレイ・ドッグ』音楽コラムの補足 / セオドア・シャピロはシリアス映画の音楽も素晴らしいという話。

先日、BANGER!!!で『ストレイ・ドッグ』(2018)の音楽紹介コラムを書きました。

ニコール・キッドマンが“心身ズタボロ”の刑事に!『ストレイ・ドッグ』の“重くて不吉な劇伴”に脂汗!! | BANGER !!!
https://www.banger.jp/movie/78197/

ワタクシは20年近くセオドア・シャピロの音楽を聴いているので、彼の野心作『ストレイ・ドッグ』の音楽について是非あれこれ書きたい!と思っていました。
しかしサントラもCDプレス盤では発売されなかったし、国内盤も発売されなかったので、何か書くならBANGER!!!さんしかないだろうということになり、『シンプル・フェイバー』(18)に続いてシャピロの音楽をご紹介することになりました。今更ながら、『シンプル・フェイバー』と同じ年に全く異なるサウンドの『ストレイ・ドッグ』の音楽を作曲していたというのは凄いことですね…。

まぁ書くべきことはほとんどコラムの中で書いてしまったので、当方のブログでは細かいネタの補足と、ワタクシのシャピリストとしての歴史を書かせて頂こうかなと思います。

…というわけで、まずはコラムの補足から。

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HGUC リック・ディアス(プレバン限定販売版)を組み立てた話と、リック・ディアスにまつわる苦い思い出話

今年のゴールデンウィークも遊びに出掛けず家で静かに過ごすと決めていたので、久々にガンプラを作ってみることにしました。

3月中旬の地震の時に自宅でガンプラの雪崩が起きて以来、「一生懸命作っても、また地震が起きたら棚から落ちて壊れたりするんだろうな…」という気分になって、プラモデルを作る気が失せていたのですが、「どうせ何かのアクシデントで壊れるなら、あまり根を詰めず、ちょっと雑に作る程度でやってみてもいいんじゃないの?」と逆転の発想で取り組んでみました。リハビリみたいなもんですね。

そんなわけで、プレバンで購入して以来ずっと積んであったHGUC リック・ディアス(クワトロ大尉機/量産機×2)を作ってみました。例によってスミ入れ+部分塗装のアバウト仕上げです。

20年以上前に発売されたキットの一部パーツを、後年発売されたHGBD ビルドガンマガンダムの新規造形パーツに更新したマイナーチェンジ版ということで、セールスポイントは可動域の広がった腕や足の関節部分でした。
つまりぐりぐりいじっていろんなポーズを取らせてこそ真価を発揮するキットと言えるわけですが、ただ立たせているだけでもなかなかカッコいいので侮れません。リック・ディアスのもともとのメカデザインが優れているからかもしれませんが。

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1980年代~1990年代のケビン・コスナー主演作のサントラ盤をいろいろ買った話(『リベンジ』『フィールド・オブ・ドリームス』『追いつめられて』)

連休中、実家の母が「久しぶりにケビン・コスナーの『リベンジ』(90)を観たくなった」と言ってきました。
そういえば自分もこの映画を久しく観ていなかったなと思い、実家にDVDを送る前に本編を鑑賞したところ、「見応えのある復讐と因果のドラマだなぁ」とのめり込んで観てしまった次第です。

トニー・スコットというと「『トップガン』(86)の監督」というイメージですが、あれはどちらかと言えば「ジェリー・ブラッカイマーの映画」であって、誰が監督してもああいう感じの内容になったのではないかと思います(室内の陰影のある映像がスコット兄弟っぽいな、という程度で)。
のちの『トゥルー・ロマンス』(93)や『マイ・ボディガード』(04)などを観ると、トニー・スコット”らしさ”が出ているのはむしろ『リベンジ』のほうだった気がします。

…とまぁそんなわけで本編を観ていたらジャック・ニッチェの音楽が耳に残ったので、何年か前にスコア盤が発売になっていたことを思い出し、買えるかどうか調べてみたら幸いまだ在庫がありました。もちろん、すぐさま購入しました。

『リベンジ』の音楽は、物語の舞台であるメキシコの雰囲気を内包したシンセスコア。
パンパイプのような音色が聞こえますが、おそらくサンプリング音源ではないかと。
愛のテーマの流麗なメロディに心を奪われます(ちょっと『ナイルの宝石』(85)の愛のテーマっぽくもある)。ギター演奏は名手トミー・テデスコでした。

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