1980年代~1990年代のケビン・コスナー主演作のサントラ盤をいろいろ買った話(『リベンジ』『フィールド・オブ・ドリームス』『追いつめられて』)

連休中、実家の母が「久しぶりにケビン・コスナーの『リベンジ』(90)を観たくなった」と言ってきました。
そういえば自分もこの映画を久しく観ていなかったなと思い、実家にDVDを送る前に本編を鑑賞したところ、「見応えのある復讐と因果のドラマだなぁ」とのめり込んで観てしまった次第です。

トニー・スコットというと「『トップガン』(86)の監督」というイメージですが、あれはどちらかと言えば「ジェリー・ブラッカイマーの映画」であって、誰が監督してもああいう感じの内容になったのではないかと思います(室内の陰影のある映像がスコット兄弟っぽいな、という程度で)。
のちの『トゥルー・ロマンス』(93)や『マイ・ボディガード』(04)などを観ると、トニー・スコット”らしさ”が出ているのはむしろ『リベンジ』のほうだった気がします。

…とまぁそんなわけで本編を観ていたらジャック・ニッチェの音楽が耳に残ったので、何年か前にスコア盤が発売になっていたことを思い出し、買えるかどうか調べてみたら幸いまだ在庫がありました。もちろん、すぐさま購入しました。

『リベンジ』の音楽は、物語の舞台であるメキシコの雰囲気を内包したシンセスコア。
パンパイプのような音色が聞こえますが、おそらくサンプリング音源ではないかと。
愛のテーマの流麗なメロディに心を奪われます(ちょっと『ナイルの宝石』(85)の愛のテーマっぽくもある)。ギター演奏は名手トミー・テデスコでした。

先日「午後のロードショー」で『デイズ・オブ・サンダー』(90)の放送があった時、音楽ネタをツイートする前にサントラ盤をざっと聴き直したのですが、ブックレットのライナーノーツに興味深いことが書いてありました。

トニー・スコットは『ワールド・アパート』(88)の音楽を気に入って、『リベンジ』でハンス・ジマーと仕事をしたいと考えていたものの、プロデューサーから「そんな無名の奴じゃなくてAランクの作曲家を使えよ」と言われたらしい。だからスコットは『デイズ・オブ・サンダー』で念願叶ってジマーと仕事が出来たというわけです。

それじゃあニッチェは当時Aランクの作曲家だったのかと振り返ってみると、『カッコーの巣の上で』(75)と『愛と青春の旅だち』(82)でアカデミー作曲賞の候補になってるし(後者で主題歌賞を受賞)、『スターマン 愛・宇宙はるかに』(84)でゴールデングローブ賞の候補にもなってるから、確かにAランクの映画音楽家ではありました。

その次に買ったのが『フィールド・オブ・ドリームス』(89)の2枚組リマスター完全盤。
少々お値段が高くて(6,000円前後)購入を見送っていたものの、ムービープラスで久々に映画本編を観たら「これはサントラ買っておいたほうがいいな」と思って、結局購入に踏み切りました。

スコア作曲はジェームズ・ホーナー。
プロデューサーから「オーケストラを使った壮大な音楽にしてくれ」と圧をかけられていたそうなのですが、ホーナーはシンセとパンパイプ、ピアノを効果的に使った”Ghostly”なアメリカーナ音楽にこだわったのだとか。


La-La Land Recordsから発売になった拡張盤サントラは、Disc 1がいわゆるスコア完全盤で、Disc 2が通常盤の音源をリマスタリングしてまるまる収録したものになっていました。
だから6,000円前後の価格のうちDisc 1が4,000円くらいでDisc 2が2,000円くらいの内訳になるのかなという感じ。この映画が好きな方は買っておいて損はないアルバムではないかと思います。

最後にご紹介するのは、最近というかだいぶ前に買った『追いつめられて』(87)のサントラ盤。notefornote musicから4年くらい前に発売になったアルバムです。
キーボード奏者が3人、EVI(ウインドシンセサイザー)奏者が2人、パーカッション奏者1人がクレジットされている、モーリス・ジャールのシンセスコア作品です。

80年代当時最先端の音であり、おそらく2000年代には「過去の音」という認識だったのかもしれませんが、2020年代のいま聴くと「レトロかっこいい音」に聞こえるのが面白い。
こうして見てみると、ケビン・コスナーは80年代と90年代によい映画にいろいろ出ていたんだなぁと改めて思います。『アンタッチャブル』(87)にも出てましたし。

これらのサントラをじっくり聴いてみて、シンセスコアは「技術が進歩した電子楽器で簡単に作った曲」よりも、「発展途上の機材で試行錯誤しながら作った曲」のほうが面白い作品が出来上がるのかもしれないなと思った次第です。

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