最近買ったサントラ盤のお話:『THE BATMAN -ザ・バットマン-』『ヴィデオドローム』『アイアン・ジャイアント』(デラックス盤)

最近というには少々日にちが経ってしまったものもありますが、先月から今月にかけてこのようなサントラ盤を買いました。

その1:『THE BATMAN -ザ・バットマン-』(22)

コロナ禍で映画館へ行かなくなっているので、映画本編を観るのは当分先(=家で観られるようになってから)になるものの、サントラ盤は先に買っておきました。
なぜなら以前ブログでご紹介した『マトリックス レザレクションズ』(21)のサントラ盤と同じように、CDプレス盤で買えるのはランブリング・レコーズさんの初回導入分だけだったから。案の定、CDプレス盤は早い段階で売り切れてしまいました。

音楽担当はマイケル・ジアッキーノ。
ものすごくダークで重々しい音楽でした。
これはもうホラー映画の劇伴と言っても差し支えない。
その一方で、ヒーロー映画(ダークヒーロー映画)らしいリスナーを高揚させる瞬間も随所に用意されている。ジアッキーノ渾身の傑作スコアでした。

ジアッキーノはシンセとかドラムループを基本的に使わないタイプの作曲家なので、そういう意味ではダニー・エルフマンのバットマン音楽に回帰したとも言えるのかな。
今回の『THE BATMAN』のほうがコミックス的なノリも抑えめで陰鬱なトーンになってますが。

その2:『ヴィデオドローム』(82)

La-La Land Recordsか2,000枚限定でリリースになった『ヴィデオドローム』のリマスター盤。ランブリング・レコーズさんが国内流通を手掛けていたのでそちらを購入。

もう20年以上前のことですが、CDショップ(新星堂カルチェ5仙台店かフォーラスにあった頃のタワレコ仙台店)でカルチュア・パブリッシャーズから発売になっていた『ヴィデオドローム』の国内盤を見かけたものの、当時諸々の事情で購入を見送って以来、気がついたら店頭で製品を全く見かけなくなってしまいました。

収録時間37分でこの価格はちょっと高いかな…とも思いましたが、この機会を逃したらもうこのサントラは手に入らないだろうと考えて予約注文した次第です。

シンクラヴィア IIを大々的に導入した、これぞハワード・ショアの実験音楽といった趣のダークでどんよりとしたスコアでした。聴けば聴くほど鬱になってくるサウンド(←褒め言葉です)。

その3:『アイアン・ジャイアント』(99)デラックス盤

興行収入的には当時振るわなかったものの、今なお根強い支持を集める名作アニメ映画『アイアン・ジャイアント』。
Varese Sarabandeからデラックス盤が枚数限定で発売されたので、速やかに予約注文しました。

カルチュア・パブリッシャーズから発売された国内盤がなかなか凝った作りの紙ジャケで、コレクターズアイテムとしてはこれも大変よいアルバムだったと思います。
全23曲・収録時間も50分弱だから、収録時間が30分前後のものが多かったこの時期のVareseのスコア盤の中でも充実感のあるアルバムでした。

今回のデラックス盤はデモ音源を含む全37曲で、収録時間も約77分の大ボリューム。
マイケル・ケイメンの音楽を愛好する者としては是非押さえておきたいアイテムでした。
ケイメン晩年の傑作スコアのひとつと言えるでしょう。

先月BANGER!!!で『リーサル・ウェポン』シリーズの音楽コラムを書いた時に、シリーズ4作のサントラを毎日のように聴いていてふと思ったことでもありますが、もし彼が大病を患わずにもっと長生きしてくれていたら、彼のキャリア、そしてハリウッドの映画音楽業界はどうなっていただろうかと考えてしまいます。

マイケル・ケイメンはもっと新作を聴きたかった映画音楽家の一人です。

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