高橋ユキヒロ「Saravah Saravah!」を購入初日にひとまず10回ほど聴いてみた。

幸宏さんの新譜「Saravah Saravah!」を買いました。
1978年発売のファースト・ソロアルバム「サラヴァ!」のヴォーカルパートだけを録り直した異色盤…というか話題盤。
ベスト盤で数曲だけヴォーカル新録バージョンを入れるとか、
セルフカヴァーでアレンジも変えて歌い直すとかいうのは割とよくありますが、
「アルバム丸ごとヴォーカルだけ録り直す」というのは珍しいかなと。

例えばブライアン・フェリーが、声が硬いからと言ってファーストアルバムの「愚かなり、我が恋」を全曲歌い直すかというと、さすがにそれはしないんじゃないかと(←ものすごく分かりにくい例え)。

閑話休題。

で、初代「サラヴァ!」といえばワタクシ中学時代~高校時代に聴きまくりまして、
幸宏さんが言うところの「2,3回歌って”いいかな、こんなもんで”っていう」歌い方に完全に耳が馴染んでしまっているので、
新録バージョンに慣れるまで時間を要するのではないかと思ったのです。

ところが数回聴いただけで「今の幸宏さんの声」のヴォーカルが自然にスッと頭の中に入ってきまして、
ああ、これは無理のない素敵なリメイク/リモデル(再構築)だなーと思った次第です。
そして音がとってもクリア。
「あ、バックの演奏はここでこんなことやってたのか!」と今回初めて気づいた箇所も多々ありました。

 

続きを読む

『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』の劇中で使われたボーカル曲をざっくり紹介してみる(サントラ盤ディスク2の紹介)

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(17)サントラ盤のライナーノーツを書かせて頂きました。

サントラ盤はCD2枚組仕様で、
ディスク1にアレクサンドル・デスプラのオリジナル・スコアを23曲、
ディスク2に映画本編で使用された歌モノを9曲(うち1曲はミックス違い)を収録しています。

前回デスプラさんのスコアをざっくり紹介したので、
今回はディスク2のボーカル曲をざざーっとご紹介致します。

 

続きを読む

『スリー・ビルボード』サントラ盤に収録されたボーカルナンバーをじっくり味わってみる

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『スリー・ビルボード』(17)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。

以前のブログでカーター・バーウェルのスコアをご紹介したので、
今回は映画の中で使われた歌モノを中心にご紹介していこうかなと思います。

…というわけでサントラ盤の収録曲は以下の通り。
歌モノ(既製曲)は太字にしてあります。

1. Mildred Goes to War
2. The Deer
3. Buckskin Stallion Blues (Performed by Townes Van Zandt)
4. A Cough of Blood, A Dark Drive
5. I’ve Been Arrested
6. Fruit Loops
7. His Master’s Voice (Performed by Monsters Of Folk)
8. Billboards On Fire
9. Slippers
10. The Last Rose of Summer (Performed by Renée Fleming, Jeffrey Tate & The English Chamber Orchestra)
11. My Dear Anne
12. Walk Away Renee (Performed by The Four Tops)
13. Billboards Are Back
14. Collecting Samples
15. Sorry Welby
16. The Night They Drove Old Dixie Down (Performed by Joan Baez)
17. Countermove
18. Can’t Give Up Hope
19. Buckskin Stallion Blues (Performed by Amy Annelle)

続きを読む

『バリー・シール アメリカをはめた男』サントラ盤収録曲を駆け足で全曲紹介してみるの巻

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、『バリー・シール アメリカをはめた男』(17)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。

先日劇場でパンフレットを買ってきたのですが、これだけ劇中で懐メロをガンガンかけていたのに音楽についてコラムでほとんど触れられていなかったので、ワタクシがこの場を借りて全曲ざっくりご紹介させて頂こうかなと。

ちなみに個人的な推し曲については前回のブログでご紹介したので、こちらも併せてご覧頂ければと思います。

なおamazonのカスタマーレビューなどでツッこまれる前に補足させて頂きますが、トーキング・ヘッズの”Slippery People”とジョージ・ハリスンの”Wah-Wah”はアルバム未収録なので、この2つの曲については何らかの手段を用いて補完して頂ければと思います。

続きを読む

『バリー・シール アメリカをはめた男』サントラ盤の私的推し曲はこの曲とあの曲です!の巻

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、トム・クルーズ主演のアンチヒーロークライムアクション映画『バリー・シール アメリカをはめた男』(17)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。

オリジナル・スコアの作曲は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)のクリストフ・ベック。
アメリカではVarese Sarabandeからのサントラリリースということで、「ベックのスコア盤のライナーノーツを書くのは初めてだから楽しみだな」と思っていたのですが、トラックリストが発表になってみたら、何とまさかのソングコンピレーション盤でした。
「Vareseもコンピ盤を出すことあるんだ」と思いましたが、よく考えれば『ロング・トレイル!』(15)とか『ゴールド 金塊の行方』(16)もコンピ盤だったなぁ、と。

…というわけで、『バリー・シール』のサントラ収録曲は以下の通り。

1. A Fifth of Beethoven / Walter Murphy & The Big Apple Band
2. One Way Out / The Allman Brothers Band
3. Blue Bayou / Linda Ronstadt
4. Seguro Lo Hara Otro / John Ever Villa
5. Black Widow Blues / Townes Van Zandt
6. Hooked On Classics (Part 1 & 2) / Louis Clark & The Royal Philharmonic Orchestra
7. I Don’t Need You / The Troyes
8. Loud N’ Restless / Loosely Tight
9. What Makes A Good Man? / The Heavy
10. What Now? / Christophe Beck (Score)
11. Sandanistas y Reagan / Christophe Beck (Score)
12. Heading to the States / Christophe Beck (Score)

続きを読む