ジェームズ・ホーナーの旧作サントラをいろいろ購入した話(『48時間』『48時間PART2 帰って来たふたり』『不法侵入』)

先日午後のロードショーで『コマンドー』(85)の放送があった頃、「そういえばジェームズ・ホーナーの初期作品でまだ買ってないタイトルがあったな」と思い、この機会に「気になってたけど諸般の事情で購入を先送っていたサントラ」をまとめ買いしました。

その1:『48時間』(82)拡張盤サントラ

Intradaから昨年発売になっていた『48時間』の拡張盤サントラ。
本編で使われたホーナーのスコア9曲のほかにザ・バスボーイズの歌曲が4曲、スコアの別バージョン3曲、アイラ・ニューボーンの”Torchy’s Boogie”、ラルフ・グリーソンの”Saratoga Blues”を収録した全18曲。収録時間58分45秒。

ちなみにこちらのサントラは『タイタニック』(97)の25周年3Dリマスター上映があった頃に買いました。

アクションコメディということで、ホーナーもどのようにしてスコアに”コメディ”の雰囲気を出すか工夫したらしい。その結果、オーケストラにジャズ/フュージョン系のサックスとリズム、スティールパンの演奏を加えた独特な音楽が出来上がったのでした。
メインテーマのソプラノサックスの旋律と、太くうねるグルーヴ感のあるベースがなかなかよい感じ。都会が舞台のアクションでスティールパンがペンペン鳴るという奇妙な音楽が面白い。『コマンドー』の原点的な作品とも言えるでしょう。あとザ・バスボーイズのロックンロール調の歌曲がノリノリで良かったです。

48 Hrs. Music From The Motion Picture (TOWER RECORDS)

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BANGER!!!で書いた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』音楽紹介コラムの補足的なお話

以前『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作(85/89/90)の地上波放送があった頃に当方のブログで書きましたが、ワタクシはIntradaとVareseからリリースになった『BTTF』のスコア完全盤サントラを所有しております。

ただスコア盤を3作揃えて悦に入るだけではなくて、仕事に還元するのが映画音楽ライターとしての矜恃ではないかと思いまして、5月のムービープラスでのシリーズ一挙放送を機に、BANGER!!!で音楽コラムを書かせて頂きました。

映画音楽ウラ話『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 ゼメキスが信頼した音楽家とは?「魅惑の深海パーティー」トリビア解説も | https://www.banger.jp/movie/95883/

主題歌/挿入歌のトリビアは有名なので、個人的にはアラン・シルヴェストリの略歴と彼の音楽に絞ってディープにご紹介したいと考えておりました。
しかしこういう映画コラムというのは、「皆さんが既に知ってることもあえて書かないといけない」という側面もあるので、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースやZZトップの主題歌や”Johnny B. Goode”の小ネタもあれこれ書かせて頂きました。

その結果、シルヴェストリの音楽について文字数の都合で書けなくなってしまったネタも出て参りましたので、当方のブログで補完させて頂きます。

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ドキュメンタリー『ハンス・ジマー 映画音楽の革命児』を観たので、『フローズン・プラネットII』『ザ・リング』『テルマ&ルイーズ』のサントラ盤を衝動買いしたお話。

先月NHK BS1で放送していたドキュメンタリー『ハンス・ジマー 映画音楽の革命児』を観ました。
ジマーさんが音楽を担当した『フローズン・プラネットII』(22)と連動してBBCが製作した番組だったと思うのですが、なかなか興味深い内容でした。

かれこれ15年近くよくして頂いているボブさんが番組内でインタビューを受けていたので、「ジマーさんのドキュメンタリー観ましたよ」とメッセージを送ったら、「あれはいいドキュメンタリーだっただろ?」と仰ってました。

そんなわけで、これまで購入を先送りしていたジマーさんのサントラを衝動的にまとめ買いしてしまいました。

1枚目:『フローズン・プラネットII』サントラ盤

先述のドキュメンタリー番組の中で、ジマーさんが「凍りついたような音を探しています」「ベーコンを焼く時の音と変わらないですね」などと言いながら曲にノイズ(グリッチノイズ?)を足していく行程を観て、ついサントラ盤を買ってしまいました。

ジマーさんのBBCネイチャードキュメンタリーのサントラは、以前『ブルー・プラネットⅡ』(17)の差込解説書に音楽解説を書かせて頂いた時、『プラネット・アースII』(16)や『SEVEN WORLDS ONE PLANET』(19)をまとめて鑑賞して以来興味を持つようになったので、まあ『フローズン・プラネットII』もいずれは買うことになったのだと思います。

ドキュメンタリー番組内でも、子ども時代のジマーさんが汚れたライン川をお父様に見せられて考えさせられたといった旨のことを話していたので、高い目的意識を持ってネイチャードキュメンタリーの音楽を作曲しているのではないかなと思います。
特に『ブルー・プラネットⅡ』と『フローズン・プラネットII』は”Original Music”のところにジマーさんの名前がちゃんとあるので、「テーマ曲だけ作曲して、そのバリエーションはブリーディング・フィンガーズ・ミュージックの若手に一任」という作り方はしていないのではないかと思います(その場合”Theme Music by Hans Zimmer, Score by ○○”とクレジットされるはず)。

今回の『フローズン・プラネットII』も、普通の映画音楽と変わらないスケール感のスコアを聴かせてくれます。メロディも際立っていてよい感じ。

フローズン・プラネットII【輸入盤国内品番】- amazon
オリジナル・サウンドトラック フローズン・プラネットII – TOWER RECORDS

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BANGER!!!のコラムで書き切れなかった『コン・エアー』のネタあれこれ

先日BANGER!!!のコラムで『コン・エアー』(97)の見どころ&音楽紹介コラムを書きました。

ハリウッド版「魁!!!男塾」? ニコラス・ケイジ主演『コン・エアー』の意外な功績とバンド“イエス”ギタリスト作曲のロックな劇伴 | https://www.banger.jp/movie/93921/

…ちなみにこのコラムタイトルはワタクシが考えたものではありません。
(編集部に「男塾」読者の方がいらっしゃったんでしょうか)
当方の記事がアップされた時に「そう来ましたか…」と思ったほどで。

本当は『マッシブ・タレント』(22)のコラムを書きたかったのですが、諸事情により叶わなかったため、それなら『マッシブ・タレント』の映画本編でもフィーチャーされている『コン・エアー』について書こうかなと思ったのです。何しろ映画が始まって早々に『コン・エアー』のエンディングが流れますから

…とまぁそんなわけでいろいろBANGER!!!でいろいろ書かせて頂きましたが、字数の都合でコラムに書けなかったネタ、マニアックすぎて需要がなさそうなネタなどもいくつかございますので、当方のブログにて補完させて頂きたいと思います。

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『リービング・ラスベガス』のサントラに曲を追加して曲順を変えてみた

『マッシブ・タレント』(22)日本版公式ツイッターアカウントさんが実施していた「MyBestニコケイ」の投稿で『リービング・ラスベガス』(95)についてツイートした時、久々に映画本編を鑑賞しました。
詳細なネタを含むツイートをするにあたって、うろおぼえの情報ではなく、きちんと精査した内容を投稿しようと思い、きちんと映画本編を観て、サントラ盤のブックレットもしっかり読み直したというわけです。

当然サントラ盤もざっくり聴いてからツイートしたのですが、久々にアルバムを聴いて「やっぱりいいサントラだな」と再認識しました。そして長年ほったらかしにしていたアルバム未収録曲の追加作業を行うことにした次第です。

そのアルバム未収録曲というのが、マイケル・マクドナルドによるジャッキー・ウィルソンのカヴァー”Lonely Treadrops”
マイク・フィギス監督の友人でもあるスティングがタダ同然で提供したジャズ・スタンダードのカヴァー3曲と、ドン・ヘンリーがカヴァーした”Come Rain or Come Shine”、ザ・パラディノスの”I Won’t Be Going South For A While”、ニコケイが即興的に歌った”Ridiculous”は収録しているものの、この曲だけアルバムに入っていませんでした。

ワタクシこの映画のサントラは1990年代当時もよく聴いていたのですが、その頃はインターネットもやっていなかったので、”Lonely Teardrops”が何のアルバムに収録されているか分からず、CDで聴くのは諦めておりました。そして現在に至るまでサントラに曲を補完する作業を怠っていたのでありました。

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