【朗報】Rambling Recordsから傑作サントラ盤50タイトルがDSDリマスタリングで再発売!

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サントラ盤やオサレなコンピ盤、
国内外の個性派アーティストのアルバムを精力的にリリースしているランブリング・レコーズさんから、
サウンドトラック盤の新旧名作50タイトルがリイシューされることになりました。
しかも全作品DSDリマスタリング&低価格でのリリース。
さらに高音質96kHz/24bitハイレゾ配信も同時リリースしてしまうらしいです。

以下、ランブリングさんのサイトから、
今回のリイシューのコンセプト紹介文を抜粋。

「この音楽、どこかで聴いたことある…」
そうした音楽のフレーズは、映画のサウンドトラックの楽曲であることがしばしば。
映画音楽の「スコア」と言われる音楽の深さ、
そしてそのクオリティの高さを皆さんに体感して頂くべく、
全ての音源にDSDリマスタリングを施し、
往来よりも低価格で発売することになりました。
より良い音源に生まれ変わったサウンドトラック、
一挙50タイトルをお楽しみ下さい!

オリジナル・スコアの奥深さ、
そしてクオリティの高さをリスナーの方に体感してもらいたいから、
単に旧盤をそのまま安価でリリースするのではなく、
DSDリマスタリングによる質の高い音で再発売しましょう!という心意気。
サントラの仕事に携わる者としては、嬉しくて泣けてきますね。。
これはもう「歌の入ってないサントラ盤はつまらない」とか言ってられませんよ!
スコア盤の面白さが分かると、映画もより深く味わえるようになりますからねー。

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ラミン・ジャワディからクリストフ・ベックに…でもジョン・パウエルは? いろいろ気になる『Edge of Tomorrow』の音楽事情

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『オール・ユー・ニード・イズ・キル』という邦題になるらしい、
トム・クルーズ主演最新作『Edge of Tomorrow』(14)。
何だかここひと月ほど音楽に関する情報が頻繁に入れ替わっていて、
これは一体どうしたものかと思っておりました。

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『キャプテン・フィリップス』でヘンリー・ジャックマンが描く「単純じゃない世界」の音楽

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今回は『キャプテン・フィリップス』(13)の音楽について。
作曲は『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)のヘンリー・ジャックマン。
ポール・グリーングラス作品の常連、ジョン・パウエルではありません。

まず起用されたのがパウエルではなくジャックマンだった事に驚いたのですが、
近年のパウエルはアニメ映画の作曲機会が増えてきたので、
作品傾向が若干変わってきたのかもしれません。
とはいえ、リモート・コントロール所属のジャックマンも、
過去にパウエルの作品(『ハンコック』(08)など)で追加音楽を作曲しているので、
全く繋がりがないというわけでもないでしょう。
「パウエルに作曲を依頼したらジャックマンを推薦された」なんて経緯もあったかもしれません。
(あくまで推測)

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ボーン・レガシー(音楽について)

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ジェイソン・ボーン・シリーズの立役者を4人挙げるとするならば、

主演のマット・デイモン、
1作目の監督・シリーズ3作の製作総指揮のダグ・リーマン、
2・3作目の監督のポール・グリーングラス、
そして音楽のジョン・パウエルという事になるでしょう。

この4人が全員プロジェクトから離脱して、『ボーン・レガシー』(12)の音楽は一体誰が担当する事になるのかと思ったら、ジェームズ・ニュートン・ハワードが手掛ける事になりました。

監督のトニー・ギルロイとは『フィクサー』(07)と『デュプリシティ』(09)で仕事しているし、プロデューサーのフランク・マーシャルとも一連のM・ナイト・シャマラン作品で交流があるので、この人選は割とすんなり決まったのではないかと。

さてジェイソン・ボーン・シリーズの音楽と言えば、サンバの如く豪快にパーカッションを鳴らしまくるスピード感&グルーヴ感抜群のサウンドが魅力だったわけですが、果たしてパウエルが生み出した”ジェイソン・ボーン・サウンド”をJNHがどう料理するのか。似たようなノリのスコアを書くのか、あるいはパウエルとは違う手法で攻めてくるのか、個人的には興味津々でございました。

先に結論から申しますと、前者の「似たようなノリのスコア」でした。
JNHの仕事で言えば『ソルト』(10)のノリに近いサウンドかなー。

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フェア・ゲーム

fair game

ダグ・リーマン監督、ショーン・ペン&ナオミ・ワッツ主演の映画『フェア・ゲーム』(10)を鑑賞。

70年代にアラン・J・パクラとかシドニー・ルメットが撮っていそうな、ものすごくシブくて、なおかつ非常によく出来た告発系ポリティカル・サスペンスでした。シンディ・クロフォード主演の同名C級アクション映画とは雲泥の差(そもそもジャンルが違うけど)。

プライベートでもイラク問題にはいろいろ言いたい事がありそうなショーン・ペンだけに、NYタイムズに「イラクに大量破壊兵器はなかった」という調査報告を寄稿する元ニジェール大使ジョー・ウィルソン役はまさにハマリ役。
よりによってアメリカ政府からCIA捜査官である事を暴露される悲劇のヒロイン、ヴァレリー・プレイムを演じるナオミ・ワッツも、薄幸さと意志の強さを兼ね備えた佇まいが素晴らしい(特にあの眼差しがステキ)。二人の演技の化学反応も凄まじい。過去に2回共演しているし、芝居の波長が合うのでしょう。

ダグ・リーマンといえば『ボーン・アイデンティティー』(02)とか『Mr.&Mrs.スミス』(05)の監督なわけですが、こういう重厚かつシブい社会派映画も撮れるのね。父親がイラン・コントラ事件を担当した弁護士のアーサー・リーマンらしいので、そういった硬派な遺伝子も受け継がれているのかも。
実話の映画化という事で、エンドクレジットでCIA捜査官の役名の名字部分が何人か伏せ字になってました。

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