アンストッパブル

unstoppable

いやー面白かったなぁ。リドリー兄貴に比べると「映像テクニックだけで中身が空っぽ」と言われる事の多いトニー・スコットですが、この『アンストッパブル』(10)は非常によく出来てます。トニー・スコット好きとしては、この映画が高評価で嬉しい限り。

映画の内容は「有毒物質を積んだまま無人で暴走する列車を止めろ!」というシンプル極まりない筋立てなのですが、そのぶん日常的に映画を見ないライトな観客層にも面白さをアピールする要素があるし、話が余計な方向に脱線しないので、展開がスピーディーで無駄がないのです。

例によってトニー・スコット名物のブン回すようなカメラワークとかガチャガチャした編集もあるのですが、『ドミノ』(05)とか前回の『サブウェイ123/激突』(09)に比べると、かなりケレン味を抑えた映像になってました。ホンモノの列車やヘリを使ったアクションがウリの映画だから、リアルな質感を出すためにあまり映像に手を加えないようにしたものと思われます。

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Pick Up The Pieces

今週は某サントラ盤のライナーノーツ原稿の締切が間近に迫っている上に、他にもいろいろ書き物の仕事を掛け持ちしていてブログを書くのもままならない状況なので、Average White Bandの大ヒット曲「Pick Up The Pieces」のPVをご紹介しておしまいです。やっぱアヴェレイジ・ホワイト・バンドといえばこの曲でしょう。

ヘイミッシュ・スチュアートの後釜として加入した伊達男、エリオット・ルイスのイカすショルダー・キーボード(英語圏ではkeytarと言うらしいです)演奏をお楽しみ下さい。

そんなエリオットのアルバム『6 & One』は、現在鋭意製作中です。
乞うご期待!

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第68回ゴールデングローブ賞の作曲賞候補作品について

仕事が忙しかったり風邪引いたりしてすっかり忘れてましたが、ゴールデングローブ賞の授賞式は今月16日だった。

賞の部門はいろいろありますが、やっぱり仕事柄いちばん気になるのは作曲賞なわけで。

今年のノミネート作品は以下の通り。

・アレクサンドル・デプラ/『英国王のスピーチ』
・ダニー・エルフマン/『アリス・イン・ワンダーランド』
・A・R・ラフマーン/『127 HOURS』
・トレント・レズナー & アッティカス・ロス/『ソーシャル・ネットワーク』
・ハンス・ジマー/『インセプション』

アカデミー賞の作曲賞候補もほぼ同じ顔ぶれになるのかなー。

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MOON 月に囚われた男

moon

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

昨年末に2010年のベストムービー的な事でも書こうと思っていたのですが、ずーーっと仕事をしていてタイミングを逸してしまったので、今年最初のブログで書いてみる事にしました。

去年観た映画で特によかったなぁ、と思ったのは

『インセプション』(10)
『クロッシング』(08)
『バッド・ルーテナント』(09)
『月に囚われた男』(09)

の4本。この中からひとつ選ぶとしたら、やっぱり低予算でハイクオリティなSF映画を作り上げた『月に囚われた男』で決まりかな、と。

「月の裏側でたった一人でヘリウム3の採掘作業をしている男が、もう一人の自分と対面する」という内容を聞いた時、理屈っぽい映画なのではないかと思ったのですが、全然そんな事なかった。メッセージ性とエンターテインメント性、そして社会風刺のバランスがすごくよく取れた良作。例えるなら、星新一の短編SF小説のような雰囲気を持った映画です。

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『アメリカン・サイコ』のサントラ盤を補完してみる

american psycho

仕事にかかりっきりでお知らせするのをすっかり忘れてましたが、レーベルは元旦から1月3日までショップの発送作業をお休みさせて頂きます。

とはいえ、休み返上でエリオット・ルイスのアルバムの製作作業を進めているので、受注は通常どおり承っております。年始オーダー分の商品の発送は4日以降になりますので、何卒ご了承下さい。

さて2010年最後のトピックスは、カルト映画にしてクリスチャン・ベールの出世作と名高い『アメリカン・サイコ』について。僕も公開当時映画館で見てかなり衝撃を受けたクチですが、その後原作本を読んでさらに衝撃。よくあの内容を映画化出来たなー、と感心した次第です。

当然のようにサントラ盤も購入したわけですが、これはかなりガッカリな内容。なぜかというと、映画本編で使われた曲がほとんど入ってなかったから。

ここはサントラ愛と根気とヒマを総動員して曲を補完するしかないだろう、と。
・・・というわけで、まず元々のサントラ収録曲は以下の通り。

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