9年来の宿願叶う――『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』サントラ盤の音楽解説のお仕事

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、『ヒックとドラゴン聖地への冒険』(19)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽担当は前作・前々作に続いてジョン・パウエル。
既にtwitterや当方のブログでお伝えしておりますが、ランブリングさんのBack Lot Music正規輸入盤15タイトル一挙リリースの際に、映画の邦題が決まる前の5月頃に音楽解説原稿を書いたので、『ヒックとドラゴン3』のタイトルでサントラがリリースになってます。

ワタクシは80年代にナムコの『ドラゴンスピリット』、90年代にビクター音産の『サンサーラ・ナーガ』シリーズをプレイしまくったので、
「竜で空を飛ぶ（竜と共に空を飛ぶ）」
「竜と共に生き、共に成長する」
…というストーリーの『ヒクドラ』シリーズが大好きなのであります（『サンサーラ・ナーガ』1作目の主人公はレベルアップしないだろ、というツッコミはさておき）。
そしてパウエルの音楽も『フェイス/オフ』(97)の頃からずっと聴いてます。

しかし第1作の音楽解説はほかのライターさんの担当になり、
第2作は国内盤サントラが発売されず…というか、
映画自体が当時まさかの劇場未公開で、
仕事の機会が全然訪れなかったんですね。。
それゆえ今回遂にお仕事を頂けて、喜びもひとしおだったのですが、同時に少々ハードな仕事でもありました。

『ヒクドラ3』の音楽については、サントラ盤のライナーノーツとBANGER!!!のコラムでいろいろ書かせて頂きましたので、こちらのブログではややパーソナルなネタを書かせて頂きます。

なおBANGER!!!コラムは下記の通り。

『ボーン・アイデンティティー』作曲家が音楽で人間とドラゴンの絆を彩る『ヒックとドラゴン聖地への冒険』 | BANGER!!!
https://www.banger.jp/anime/24833/ #BANGER

冒頭でも書かせて頂いたとおり、6月リリースのスケジュールでサントラ盤の制作を進めていたため、その頃はまだ『ヒクドラ3』のオフィシャルな日本語資料が全然ありませんでした。

海外版DVDで話の筋は追えますが、細かい情報までは分からない。例えば”The Hidden Wolrd”がどういう字幕表現になるのか分からないし、劇中のセリフがそのままタイトルになっているような曲は、セリフがどんな字幕になるか分からないのでタイトルのつけようがない。

「これは一体どうすればいいんだ？」とものすごく悩んだのですが、結局「曲タイトルは英語タイトルのカタカナ表記」、「音楽解説原稿内で言及する劇中の地名などは英語表記」とさせて頂きました。その点、何卒ご理解のほどお願い申し上げたいと思います。

肝心の音楽解説については、第1作の時から「もし自分にライナーノーツの仕事が来たらどういうことを書こうかな」と自分なりに準備していたので、ある程度は資料というかデータが頭の中に蓄積されている状態ではありました。
当時は「仕事が来ると決まったわけでもないんだけどねぇ…」と思ったりもしましたが、それが9年後に役立ったりするのだから、世の中分からないものです。

そして「自分が読み手としても満足感が得られるような中身にしなければならない」と思いまして、ブックレットに載っていたジョン・パウエルのセルフ・ライナーノーツも全訳することにしました。
同時期にほかのBack Lot Musicのサントラ盤4タイトルの音楽解説の仕事を抱えていて時間がなかったので、今回は大学時代の恩師に翻訳をお願いしました。

結果、自分なりの表現方法で『ヒクドラ』愛は語らせて頂けたと思いますし、読み物として（お値段ぶん）ご満足頂けるような内容のものは書けたのではないかと思います。
『ヒクドラ』シリーズでパウエルのファンになった方が、パウエルのほかのアニメーション作品の音楽にも興味を持って頂ければ幸いです（『ブルー初めての空へ』(11)や『ロラックスおじさんの秘密の種』(12)とか）。