『国際諜報局(The Ipcress File)』の新録版サウンドトラックアルバムを購入。

先日ブログで書いた『ドラブル』(74)のサントラ盤に続き、マイケル・ケイン主演作『国際諜報局』(65)のサントラ盤を買いました(注文した順番で言えば後者のほうが先でした)。

ザ・シネマで『国際諜報局』の放送があり、マイケル・ケインの斜に構えた公務員スパイぶりが実に魅力的で、思わず見入ってしまったのでした。
ツィンバロムを用いたジョン・バリーの渋いジャズ劇伴と、ケイン演じるハリー・パーマーのシニカルなキャラクターが実にマッチしていた。

「サントラが出ているなら、ぜひバリーの音楽をCDで聴きたいな」と考えていた矢先、Quartet Recordsから新規録音盤リリースの情報が出たのでした。

サントラ盤は全35曲で、そのうち27曲が『国際諜報局』のオリジナルバージョンの劇伴(の新録音版)。ボーナストラックでメインテーマやほかの劇伴の別アレンジバージョンが6曲と、テレビシリーズ『Vendetta』(66~68)のテーマ曲、『ダンディ2 華麗な冒険』(71~72)のテーマ曲を収録。

オリジナルバージョンの劇伴が収録時間45分くらいで、ボーナストラックの収録時間が24分くらい。

The Ipcress File (New Recording of the 1966 Motion Picture Score) – amazon
The Ipcress File (New Recording of the 1966 Motion Picture Score) – TOWER RECORDS

こうしてアルバムでバリーの劇伴をじっくり聴いてみると、哀調を帯びた旋律のジャズサウンドが実に心地よい。
バリーと言えば007シリーズの作曲家であることはいまさら説明不要ですが、ジェームズ・ボンドはエレキギター、ハリー・パーマーはツィンバロムという楽器のチョイスが絶妙。決して主張の強い音ではないのに、2 ,3度曲を聴いただけでメロディが心に刻み込まれる。
和音の使い方などはいわゆる評論家が言うところの”いつものバリー”風だったりするのですが、当方としては「それがいいんじゃないですか…」と声を大にして言いたい。

晩年のバリーはスタジオ重役やプロデューサーから「映画音楽の流行に乗れていない」「新味に乏しい」「マンネリ」などと言われては劇伴をボツにされたり作曲家交代の憂き目に遭っていましたが、そもそも「変わらぬスタイル」が持ち味のバリーに新味を期待するほうが間違いなのではないか、と当時の自分は思っておりました。まあ基本的にいまもそういう考え方ですが。

晩年の作品では『エニグマ』(01)なんてかなりよかったと思うのですが。

ENIGMA Original Motion Picture Soundtrack – amazon music

『スペシャリスト』(94)のバリーの劇伴もよかった。「もっとジマー一派みたいなアクション音楽を鳴らせ」と言われていたかもしれない時期の作品ですが、プロデューサー(ジェリー・ワイントローブ)がバリーの音楽に一定の理解があったのかもしれません。
当方はあちこち探し回って中古CDでスコア盤サントラを手に入れましたが、フィジカルリリースにこだわりのない方はデジタル版でもスコアアルバムが出ているのでぜひ。

The Specialist (1994) Original Motion Picture Score – amazon music

と、まぁ話が逸れてしまいましたが、『国際諜報局』のサントラで在りし日のジョン・バリー音楽を思う存分堪能したいと思います。

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