「ディスク・コレクション サウンドトラック」に寄稿しました

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シンコー・ミュージック・エンタテインメント発行の”傾向別ディスク・ガイド”本、『ディスク・コレクション』シリーズの「サウンドトラック」編に寄稿させて頂きました(前回のブログで書いた「クロスビート編集部の方とのちょっとしたご縁」というのはコレです)。

馬場敏裕氏監修のもと、江守功也氏、前島秀国氏と共同でサウンドトラック盤のレビューとコラム原稿を執筆するという内容で、執筆依頼を頂いた時は「自分がこんな大御所の中に混ざっていいのかしら」と思ってしまいました。

本の構成やサントラ盤のセレクトは馬場氏の方で既にお決めになっていて、僕のところには「この(サントラの)リストの中から書けそうなものを選んで下さい」的な感じで執筆依頼が来たので、比較的新しめの作品を20タイトル強選んだ次第です(『ドライヴ』とか『ダークシティ』とか)。

いやしかし、「そのサントラ盤の魅力を230字前後でまとめなさい」というのもなかなか難しいですね。音楽の魅力や面白さを印象的かつ少ない言葉数でまとめないといけないし、どの情報を使って、どの情報をカットするかの取捨選択がまた悩ましい。日頃4ケタの文字数の原稿ばかり書いている身としては、なかなか新鮮かつやり甲斐のある仕事でした。

さてこういうサントラ解説本が出ると、「何であの作品が載ってないんだ!」とか「あの作曲家のこの作品を載せないとはいかがなものか」というような声が上がってきたりするわけですが、個人的には今回の『ディスク・コレクション』はこのセレクトで”アリ”だと思っております。

長い間語り継がれてきたような”名盤”とされるものは、他の解説本で既に語り尽くされているような気がするし、1億総レビュアー化した感のある「現在(=2013年)」に、「シンコー・ミュージック」からサントラ・ガイド的な本をリリースするなら、作品選びやコンセプトに、監修される方の”個性”が如実に反映されるような内容の方が、書籍として形に残す意義があると僕は考えています。

これまで発売された「サントラ紹介本」的なもので、『ドライヴ』とか『光の旅人/K-PAX』なんて(いいアルバムなのに)紹介された事はなかったし、ジェリー・ゴールドスミスは確かに名作がたくさんあるけど、その中からあえて『ザ・グリード』を紹介してしまう意外性とその面白さ。『ザ・グリード』は、ゴールドスミスのフィルモグラフィの中でも知る人ぞ知るB級作品なのでしょうけれど、「B級作品でも面白ければそれでいいじゃん」的な(批評家目線ではない)無邪気なサントラ・ファン視点の作品選びが親しみやすくていいなぁ、と思うのです。

そんなわけで、巨匠の名盤から新進作曲家の最近の作品、スコアものから歌モノまで、レビューをサクサク読める内容になっていると思います。

ちなみに「リモート・コントロール・チームの音楽について何かコラムをよろしく」と言われたので、去年アトリ(・オルヴァルッソン)さんとお茶した時に聞いた話を元に、コラムを書かせて頂きました。

一体どんな話なのか? それは本を買って確かめて頂ければと思います(お約束の〆)。

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