この日を待っていた…。『スカーフェイス』2枚組拡張盤サントラを買ったお話。

La-La Land Recordsから全世界5,000枚限定で発売になった『スカーフェイス』(83)2枚組エクスパンデッド盤サントラを買いました。この日が来るのをどんなに待ち続けたことか…。

映画の公開は1983年。通常盤サントラはジョルジオ・モロダーのスコア2曲に挿入歌8曲のコンピレーション盤で、モロダーのスコアを聴きたかったら、映画本編を観て楽しむしかないという状況が長いこと続いておりました。

映画公開20周年になったら完全盤サントラが出るのではないか、いや30周年目にはさすがに何か出すだろう…というように、映画公開から10年単位の節目に完全盤サントラの発売を待ちわびていたのですが、40周年を間近に控えた39年目にして遂に今回の2枚組サントラがリリースされたというわけです。たぶん、権利関係とかいろいろ厄介だったんでしょうね…。人気作だし。

コロナ禍は一向に収束することなく第7波に突入、ウクライナとロシアの戦争も長引いているし、日本国内も物価高に電力不足、地震も頻発しているし、治安もどんどん悪くなっていて、もう長生きしていてもいいことなんてないんじゃないかと思うようになってきましたが、こうして宿願だった『スカーフェイス』の2枚組拡張盤サントラが手に入ったので、ひとつだけいいことがあったなという感じです

SCARFACE Expanded Motion Picture Soundtrack (TOWER RECORDS:輸入盤)
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『ボーン・アイデンティティー』と『推定無罪』のデラックス・エディション盤サントラを買いました。

先日Varese Sarabandeから枚数限定でリリースになった『ボーン・アイデンティティー』(02)と『推定無罪』(90)の拡張盤(デラックス・エディション)サントラを買いました。

理由はよく分かりませんが、『ボーン・アイデンティティー』は”Tumescent Edition”と銘打たれていました。

The Bourne Identity (Tumescent Edition) – TOWER RECORDS

『ボーン・アイデンティティー』のサントラは、通常盤も収録時間が53分くらいあって満足度の高いアルバムでしたが、今回のデラックス盤は全31曲、収録時間75分となっています。
通常盤に未収録だったスコアと、4曲のスコアのバージョン違いをいくつか収録しています。

シリーズ第1作ということで、まだのちのシリーズのような「ライブパーカッション乱れ打ち!」という音楽になっていなくて、「ストリングス+パーカッション+打ち込みのリズム」が主体のミニマルなアクションスコアになっているのが、いま聴くとなかなか新鮮。
エッジの効いた電子音の割合が比較的多めなのも興味深い。
ブックレットに載っているジョン・パウエルのインタビューを読むと、この手のアクション映画でテーマ曲にバスーン(ファゴット)のソロを使うというのは、当時としてはかなり斬新なアプローチだったようです。

第1作の公開から20年の節目にVareseからデラックス盤が出たのなら、2024年には『ボーン・スプレマシー』(04)のデラックス盤も発売になるんでしょうかね…。
『ボーン・アルティメイタム』(07)はDecca、『ジェイソン・ボーン』(16)はBack Lot Musicからのリリースなので、この2作品についてはその法則には当てはまらないと思いますが。

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ブライアン・フェリーの「Love Letters EP」とマヤ・ホークの「Blue Hippo」をデジタルダウンロードで購入。

ブライアン・フェリーが新EP「Love Letters」をリリースしたということで、MP3ダウンロードで購入しました。全4曲のカヴァー集で、収録曲は以下の通り。

  1. Love Letters
     ケティ・レスターが歌って1961年にヒットした曲で、作詞作曲はエドワード・ヘイマンとヴィクター・ヤング。
  2. I Just Don’t Know What To Do With Myself
     ダスティ・スプリングフィールドのヒット曲で、作詞作曲はハル・デヴィッドとバート・バカラック。
  3. Fooled Around And Fell In Love
     『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の最強MIXの中にも収録されていた、エルヴィン・ビショップの1976年のヒット曲。
  4. The Very Thought Of You
     ビリー・ホリデイやナット・キング・コールが歌ってヒットした、レイ・ノーブル作曲のスタンダード。
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1980年代~1990年代のケビン・コスナー主演作のサントラ盤をいろいろ買った話(『リベンジ』『フィールド・オブ・ドリームス』『追いつめられて』)

連休中、実家の母が「久しぶりにケビン・コスナーの『リベンジ』(90)を観たくなった」と言ってきました。
そういえば自分もこの映画を久しく観ていなかったなと思い、実家にDVDを送る前に本編を鑑賞したところ、「見応えのある復讐と因果のドラマだなぁ」とのめり込んで観てしまった次第です。

トニー・スコットというと「『トップガン』(86)の監督」というイメージですが、あれはどちらかと言えば「ジェリー・ブラッカイマーの映画」であって、誰が監督してもああいう感じの内容になったのではないかと思います(室内の陰影のある映像がスコット兄弟っぽいな、という程度で)。
のちの『トゥルー・ロマンス』(93)や『マイ・ボディガード』(04)などを観ると、トニー・スコット”らしさ”が出ているのはむしろ『リベンジ』のほうだった気がします。

…とまぁそんなわけで本編を観ていたらジャック・ニッチェの音楽が耳に残ったので、何年か前にスコア盤が発売になっていたことを思い出し、買えるかどうか調べてみたら幸いまだ在庫がありました。もちろん、すぐさま購入しました。

『リベンジ』の音楽は、物語の舞台であるメキシコの雰囲気を内包したシンセスコア。
パンパイプのような音色が聞こえますが、おそらくサンプリング音源ではないかと。
愛のテーマの流麗なメロディに心を奪われます(ちょっと『ナイルの宝石』(85)の愛のテーマっぽくもある)。ギター演奏は名手トミー・テデスコでした。

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最近買ったサントラ盤のお話:『THE BATMAN -ザ・バットマン-』『ヴィデオドローム』『アイアン・ジャイアント』(デラックス盤)

最近というには少々日にちが経ってしまったものもありますが、先月から今月にかけてこのようなサントラ盤を買いました。

その1:『THE BATMAN -ザ・バットマン-』(22)

コロナ禍で映画館へ行かなくなっているので、映画本編を観るのは当分先(=家で観られるようになってから)になるものの、サントラ盤は先に買っておきました。
なぜなら以前ブログでご紹介した『マトリックス レザレクションズ』(21)のサントラ盤と同じように、CDプレス盤で買えるのはランブリング・レコーズさんの初回導入分だけだったから。案の定、CDプレス盤は早い段階で売り切れてしまいました。

音楽担当はマイケル・ジアッキーノ。
ものすごくダークで重々しい音楽でした。
これはもうホラー映画の劇伴と言っても差し支えない。
その一方で、ヒーロー映画(ダークヒーロー映画)らしいリスナーを高揚させる瞬間も随所に用意されている。ジアッキーノ渾身の傑作スコアでした。

ジアッキーノはシンセとかドラムループを基本的に使わないタイプの作曲家なので、そういう意味ではダニー・エルフマンのバットマン音楽に回帰したとも言えるのかな。
今回の『THE BATMAN』のほうがコミックス的なノリも抑えめで陰鬱なトーンになってますが。

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