シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(音楽について)

a game of shadows

今回は『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』の音楽について書こうと思うのですが、例によってライナーノーツと同じ事をここで書いても意味がないので、何か別な事を書きたいと思います。

作曲は前作に引き続きハンス・ジマー(と一応ローン・バルフ)。「前作と同じ雰囲気の音楽」というレビューをよく見かけますが、2度3度とアルバムを聴き込んでいくと、「だいぶスコアのノリを変えてきたなぁ」と、最初とは違った印象を受けるのではないかと思います。
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シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(映画について)

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僕が考える「イマイチな続編映画」というのは、

■悪役に大物俳優を起用して主人公の影が薄くなってしまう

■ムダに登場人物(新キャラ)を増やして話の収拾がつかなってしまう

■同一キャラクターでキャストの交代劇が起こっている

■続編で前作と違う事を無理にやろうとしてハズしている

・・・という映画ではないかと思うのですが、去年の暮れに内覧試写で観た『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』は、そのへんうまく作ってあるなぁ、という印象でなかなか面白かった。

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Is Your Love Strong Enough?

the girl with the dragon tattoo

『ドラゴン・タトゥーの女』(11)のパンフを読んでいたら、
使用曲リストのページの末尾に

「ツェッペリンの楽曲はどれも素晴らしいが、使用は非常にハードルが高い」

・・・というフィンチャーのコメントが載っていたのですが、
となるとブルーザー・ブロディも「移民の歌(Immigrant Song)」の使用許諾をもらうのに苦労したって事でしょうかねぇ。
これぐらい有名な曲だと、勝手に使うわけにもいかないだろうし。

まぁそれはさておき、
『ドラゴン・タトゥーの女』の音楽で個人的に嬉しかったのが、
Bryan Ferryの”Is Your Love Strong Enough”のカヴァー。
まさかトレント・レズナーがこの曲をカヴァーするとは夢にも思わなかった。

カヴァーを演奏したHOW TO DESTROY ANGELSは、
レズナーとアッティカス・ロス、そしてレズナーの奥様のマリクィーン・マーンディグの3人によるロックバンド。
(マリクィーンのヴォーカルは映画本編のオリジナル・スコアでも何曲かフィーチャーされてます)
エレクトロニカ調のアレンジがカッコイイ。

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『ドラゴン・タトゥーの女』:トレント・レズナーの音楽

the girl with the dragon tattoo

MOVIX仙台の木曜のメンズデーまで待ちきれなくて、公開初日に観に行ってきました。
期待に違わぬ見応えのある映画で、ワタクシ的には大満足。
やっぱりデヴィッド・フィンチャーの撮る映画は毎回クオリティ高いです。
(巷では評価がイマイチな『ゲーム』(97)も結構好き)

深みのある映像とシャープでエッジィな編集で、158分の長尺もあっという間。
「人間の心の闇」を巧みに表現する実力派俳優の顔ぶれも素晴らしい。
ダニエル・クレイグは翳りのあるいい役者ですねぇ。無骨な感じなのもイイ。
ジョエリー・リチャードソンも素敵なマダムだった(ちょっと年を感じさせたけど)。

オリジナル・スコアは『ソーシャル・ネットワーク』(10)に続いてトレント・レズナーとアッティカス・ロスの二人。前回の音楽も凄かったけど、今回の『ドラゴン・タトゥーの女』(11)のスコアも、かなり手の込んだ造りになってます。

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シリーズで最もキャッチーな『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の音楽

ghost protocol

やっとこさサントラ盤が手元に届いたので、
『ゴースト・プロトコル』(11)の音楽についてざっくりと。
音楽は前作『M:I:3』(06)に引き続きマイケル・ジアッキーノ。

前作の時は、映画誌のサントラレビューか何かで
「オケの編成がムダに大きい」とか手厳しい事が書かれてあって、
うーんそうかなぁ、とか思ってしまったのですが、
それと比べると今回はかなり音がシェイプアップされた感じで、
結果としてスコアのテンポもよくなっている印象。
『M:I:3』よりキャッチーなアルバムに仕上がっていると思います。

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