映画鑑賞前にサントラ盤を聴いた時は、
「『スカイフォール』(13)の時よりさらに渋く(地味に)なったなぁ」
…という印象だった『007 スペクター』(15)の音楽ですが、
先日映画本編を観てきたらだいぶ印象が変わりました。
映画鑑賞前にサントラ盤を聴いた時は、
「『スカイフォール』(13)の時よりさらに渋く(地味に)なったなぁ」
…という印象だった『007 スペクター』(15)の音楽ですが、
先日映画本編を観てきたらだいぶ印象が変わりました。
先週『007 スペクター』(15)のサントラ盤を購入したのですが、
当方の予想以上にシブい(地味な)音楽でした。
前作の『007 スカイフォール』(12)もかなり「いぶし銀の音楽」という印象だったけど、
それを上回るシブさになるとは…。
ワタクシはトーマス・ニューマンが好きなので、
「なるほど今回はこう来ましたか!」という具合に聴けるのですが、
ニューマンにさほど思い入れのない007ファンは複雑な心境だろうなーと思ったら、
案の定『スペクター』の音楽の評価は賛否真っ二つに分かれている様子。
まぁワタクシは『スペクター』の本編をまだ観ていないので、
感想は映画を観てからということにさせて頂きたいと思います。
映画『Re:LIFE~リライフ~』(14)については既にブログで2回書いているし、
twitterでもさんざん小ネタをツイートさせて頂いているのですが、
それでも何だかまだ書き足りない。
「お前は『Re:LIFE』の何がそんなに好きなんだ?」と言われたら、
やはり「音楽がいいから」というのが最大の理由ではあるのですが、
映画の内容自体もワタクシ好みなのです。
「人としてちょっとダメな大学講師が自分の人生と向き合いながら、その過程で若者の才能を開花させていく」
…というストーリー展開は、
ワタクシの大好きな映画『ワンダー・ボーイズ』(00)とどこか共通するものがあって、
落ち目の脚本家兼ビンガムトン大学創作コース講師のキース・マイケルズと、
スランプ状態の作家兼ピッツバーグ大学教授のグラディ・トリップが重なって見えるのです。
「ガイ・リッチーの映画は音楽がカッコイイ」とよく評されますが、
この場合の”音楽”というのは基本的に”歌モノ/ポップミュージック”を意味していて、
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)とか、
『スナッチ』(00)みたいなコンピ盤のサントラが「カッコイイ」という認識で、
オリジナル・スコアについてはほとんど話題になりませんでした。
(実際、映画本編でのスコアの割合も少なかった)
が、しかし。
いわゆる「落ち目の頃のガイ・リッチー」作品、
例えば『スウェプト・アウェイ』(02)ではミシェル・コロンビエがスコア作曲を担当し、
(マドンナ繋がりでの起用だと思いますが)
『リボルバー』(05)では後に『96時間』シリーズ(08~14)でブレイクするナサニエル・メカリーが音楽を担当するなど、
(これもプロデューサーのリュック・ベッソンの人選だと思いますが)
低迷期の作品を経てオリジナル・スコアにも重点を置くスタイルになっていきました。
その結果どうなったかというと、
キャリア復帰作の『ロックンローラ』(08)は『ロック、ストック』や『スナッチ』路線の歌モノコンピがメインのサントラだったけど、
その後の作品は「ガイ・リッチーの映画は歌モノもスコアもカッコイイ(or面白い)」というスタイルになったのでした。
ハンス・ジマーが遊び心あふれる軽妙洒脱フルオケ音楽を披露した、
『シャーロック・ホームズ』シリーズ(09,11)はその代表的な例と言えるでしょう。
…とまぁ前置きが長くなりましたが、
今回の『コードネーム U.N.C.L.E』(15)の音楽も実に素晴らしい。
スウィンギンでグルーヴィー、スタイリッシュでユーモラス、
ポップ・ミュージック感覚で聴けるオリジナル・スコアに仕上がっているのでありました。
前回の続きで、
ヒュー・グラント主演最新作『Re:LIFE リライフ』(14)のサントラ盤の話です。
関連記事:ジャズのちブルース、時々ファンク。映画『Re:LIFE リライフ』のサントラはポップ&メロディアスで最高です!の巻
本作のオリジナル・スコアはクライド・ローレンスが作曲を手掛けているのですが、
Additional Music名義でコーディー・フィッツジェラルドが何曲かスコアを合作しています。
そして彼らの曲の他にも、
マデリン・ペルーとヴィンス・ガラルディの既製曲も1曲ずつ収録されているので、
今回はそのあたりの紹介をさせて頂きたいと思います。