『THE GREY 凍える太陽』(音楽について)

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『THE GREY 凍える太陽』(11)はリドリー&トニー・スコットの製作会社「スコット・フリー」の作品という事で、音楽担当は『プロヴァンスの贈りもの』(06)以来リドリーお気に入りの作曲家となったマーク・ストレイテンフェルドが起用される事になりました。

ジョー・カーナハン自身はクリフ・マルチネス、クリント・マンセル、アラン・シルヴェストリと毎回違う作曲家と組んでいるので、スコアにはそれほどこだわりがないのか、あえていろんな作曲家と仕事をしてみたいと思っているのか、まぁそのどちらかなのでしょう。

もともとあまり自己主張が強くない音楽を書き下ろす人でしたが、今回は題材がこんな感じなので、ストレイテンフェルドの作風が功を奏しているというか、音数やメロディーをぐっと抑えた虚無感と寂寥感を感じさせるスコアを作り上げています。悲壮感を漂わせたテーマ曲”Writing The Letter”も結構耳に残るメロディーではないかと。「これからヤバい事が起こるぜぇ」という危うい空気感をバスサックスの音色で表現している点もなかなか手が込んでます。

というわけで、手堅い仕事をしているストレイテンフェルドではあるのですが、ハンス・ジマーのもとで下積みをした作曲家でありながら、個人的にはリモート・コントロール色が極めて薄い音楽を作る人という印象があります。

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THE GREY 凍える太陽(映画について)

リーアム・ニーソンご一行様 vs オオカミ軍団の極寒サバイバル・スリラー映画『THE GREY 凍える太陽』(11)を観てきた。

ノーテンキかつ大味な内容だった『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(10)に比べたら、実に反骨精神旺盛かつ苦い結末を好むジョー・カーナハンらしい作品でした。『NARC/ナーク』(02)への原点回帰といったところでしょうか(『ブラッド・ガッツ』(98)は未見なので何とも言えませんが)。

ここ最近『センチュリオン』(10)や『フローズン』(10)、『セラフィム・フォールズ』(06)など極寒サバイバル映画を観る機会が多いのですが、『THE GREY』もその系譜に繋がる作品かな、と。

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トニー・スコット追悼企画/『ドミノ』のサントラを補完してみる

週明け早々トニー・スコットが亡くなったというニュースを聞き、どうにも気が滅入って仕方がない。

「関係者でもないんだから、そこまで考え込む必要ないだろ」というお声もあるかと思いますが、ワタクシの大好きな監督のひとりだし、『ハンガー』(83)から『アンストッパブル』(10)まで監督作を全部見てきた事もあって、思い入れが深いぶん、喪失感も大きかったりするのです。

傍目にはコンスタントにヒット作を撮って、自分のスタイルを確立させて、兄弟で映画製作会社(スコット・フリー)を立ち上げて、そこでも手堅くヒット作を製作して順風満帆でやっていたように見えたのですが、きっと本人にしか分からない悩みがあったのでしょう。

たぶん、これからいろんな憶測やら情報やらが出てくると思いますが、個人的には必要以上にネタを追いかけず、あれこれ詮索しないようにしようと考えています。

そんなわけで、今回はトニー・スコット追悼の気持ちも込めて、2005年監督作品『ドミノ』のサントラを補完してみたいと思います。

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HGUCザクマリナー

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お盆期間中は何かとヒマだったので、HGUCザクマリナーを組んでみました。

機動戦士ガンダムUC ep4『重力の井戸の底で』に登場したとはいえ、よくぞこんなZZのマイナーな機体を発売して下さいました…と言いたいところなのですが、これがなかなか珍妙な仕様のキットでございました。

まず驚いたのは、多色成形ランナーが1つもない事。
青・緑・グレーの3色。いろプラではありません。
肩とバックパックのサブロックは付属の白いシールで何とかなりますが、
サブロック・ガンとマグネット・ハーケンは色分けされていないので別途赤く塗装する必要があります。
ちなみにモノアイレールも素組みだとグレーのままです。黒いシールすらつきません。

そりゃ確かに地味なカラーリングの機体ですが、これはちょっといかがなものかと。
HGUCネモはコクピットハッチとエアダクトが色分けされてたのに…。

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空飛ぶペンギン -Mr. Popper’s Penguins-

mr poppers penguins

うーん、遂にジム・キャリー主演のヒット作が日本でDVDスルーになる日が来てしまったか、と何とも複雑な心境になりつつDVDを鑑賞。

映画本編は結構面白かったんですけどねー。ファミリー向けゆえジム・キャリーのギャグの破壊力は通常より控えめですが、相変わらずヘンな一発芸を見せてくれるし(グッゲンハイム美術館でのシャンパン芸は必見)、ペンギンはカワイイし、「仕事熱心で家族を気にかけなくなったポッパーさんが、父親の形見であるペンギンを引き取って家族愛に目覚めていく」というお話もベタながらいい感じだし、手堅くまとまってる佳作だと思うのです。話としては『ライアーライアー』(97)のノリに近いかな。

動物ものはファミリー映画の定番ネタだし、それがペンギンともなればさらにキャッチーな題材になり得るし、ジム・キャリーの日本語吹替えもちゃんと山寺宏一氏が担当してるし、この際ファミリー層にターゲットを絞って日本語吹替え上映を多めにして(注:こんなこと書いてますが自分は断然字幕派です)、山寺さんを前面に出して、動物園とかロッテクールミントガムなんかとタイアップを組んで夏に劇場公開すればそこそこイケたんじゃないかなーと考えたりもします。

しかしペンギンの鳴き声があんなにやかましいとは知らなかった。
「ギエェェーーッ!」とかそんな感じの声でした。

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