Film Music Magazineが選ぶ2015年のベスト・フィルムスコア10選

chappie

映画音楽専門誌…というか、
映画音楽情報サイトのFilm Music Magazineが、
今年のベスト・フィルムスコアを10タイトルと、
The Runners-Upの作品を10タイトル、
注目すべきニューカマーの作曲家を選出していました。

http://www.filmmusicmag.com/?p=15503

専門サイトの作品選びというのは往々にして過度にマニアックだったり、
映画音楽通を気取った感じのものだったりもするのですが、
ここのサイトのトップ10はサントラビギナーにも優しい作品が並んでいて、
ワタクシの感覚とも割と合ってるセレクトになってましたねー。

 

詳しくはFilm Music Magazineのサイトを見て頂きたいのですが、
映画のタイトルだけを羅列するならこんなセレクトになってました。
“The Runners-Up”というのは「次点」みたいなものでしょう。
(並びはタイトルのアルファベット順です)

■The Best Scores of 2015

『アデライン、100年目の恋』(音楽:ロブ・シモンセン)
『ブリッジ・オブ・スパイ』(音楽:トーマス・ニューマン)
『チャッピー』(音楽:ハンス・ジマー)
『シンデレラ』(音楽:パトリック・ドイル)
『クリード チャンプを継ぐ男』(音楽:ルードヴィッヒ・ヨーランソン)
『白鯨との戦い』(音楽:ロケ・バニョス)
『インサイド・アウト』(音楽:マイケル・ジアッキーノ)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(音楽:ジャンキーXL)
『完全なるチェックメイト』(音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード)
『ザ・ウォーク』(音楽:アラン・シルヴェストリ)

■The Runners-Up

『アントマン』(音楽:クリストフ・ベック)
『クリムゾン・ピーク』(音楽:フェルナンド・ヴェラスケス)
『キャロル』(音楽:カーター・バーウェル)
『キングスマン』(音楽:ヘンリー・ジャックマン&マシュー・マージソン)
『KRAMPUS』(音楽:ダブラス・パイプス)
『オデッセイ』(音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ)
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(音楽:ジョー・クレイマー)
『ボーダーライン』(音楽:ヨハン・ヨハンソン)
『SUFRAGETTE』(音楽:アレクサンドル・デスプラ)
『TRUMBO』(音楽:セオドア・シャピロ)

…という具合。
いやーFilm Music Magazineさんは『チャッピー』を選んでくれましたね。
批評家によってはジマーさんに妙に手厳しかったり、
シンセ・サウンドに否定的な見解を持っていたりするのですが。
ジャンキーXLの『マッドマックス』を選んでいるのも素晴らしい。
一方、ルードヴィッヒ・ヨーランソンやロブ・シモンセンら若手の鬼才の作品を選んでいるのも、
「押さえるところはきっちり押さえてるなー」という感じ。

ワタクシだったら『完全なるチェックメイト』の代わりに、
マイケル&ジェフ・ダナの『アーロと少年』(15)を選ぶと思いますが。
(若干えこひいきが入ってますが『アーロと少年』の音楽はいいですよ!)

 

次点の面々も今年なかなか活躍したコンポーザーが揃ってますね。
作品の性質上、歌モノばかりに関心が行ってスコアが話題にならないであろう、
『オデッセイ』の音楽がきちんと評価されているあたりがいいなぁ、と。
HGWは今年『ブラックハット』(15)の音楽差し替えトラブルや、
『Southpaw』(15)の謎の交代劇など気の毒な目にも遭いましたが、
『オデッセイ』のヒットで何とか報われたような気がします。

そしていわゆる「注目すべき新進気鋭のアーティスト」に該当するであろう、
“The Composers to Watch”という項目。
日本未公開作の作曲家の名前も何人か挙げられているのですが、
(『Ex Machina』(15)のベン・ソルスバリー&ジェフ・バロウとか)
公開済みの作品に絞ってご紹介させて頂くと、

クライド・ローレンス&コーディ・フィッツジェラルド(『Re:LIFE~リライフ~』)
ギョーム・ルーセル(『ザ・レジェンド』)
マーティン・ティルマン&サトナム・ラムゴトラ(『ラスト・ナイツ』)

…の3人(厳密に言えば5人)が選ばれておりまして、
ワタクシと致しましてはクライド君の名前が挙がったのが本当に嬉しい。

the rewrite

『Re:LIFE』はいわゆる「ロマコメ」にカテゴライズされているので軽く見られがちですが、
本っっっ当にクオリティの高いオリジナル・スコアでしたよアレは!
あの音楽を21歳の若者が書いたという事実が何よりすごい。
今後もしクライド君がオーケストレーションをマスターするか、
あるいは優秀なオーケストレイターとタッグを組んだら、
映画音楽家として大化けするような気がする。
次代のジョン・ブライオン、あるいは次代のランディ・ニューマンかなという感じ。

マーティン・ティルマンとサトナム・ラムゴトラは、
リモート・コントロール・プロダクションズの作曲家が好きな人にはおなじみですね。
ティルマンは『ダークナイト』(08)などでチェロを弾いている人で、
ラムゴトラは『マン・オブ・スティール』(13)のドラム・オーケストラにも参加していた打楽器奏者。
いよいよ彼らも映画音楽家デビューしたんだなぁ、と感慨深いものがあります。

ワタクシ的にはThe Composers to Watchの部門に、
『ROOM』(15)のスティーヴン・レニックスの名前を加えたいところですね。

 

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