ヒラリー・スワンク in 『The Resident』

the resident

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
今月は主に年末年始にDVDで見た映画について、なんやかんやと書こうと思います。

というわけで、1発目は『ヒラリー・スワンク / ストーカー』(11)。いきなり日本未公開作です。

邦題が全てを物語っている映画なのですが、ひとことで申しますとヒラリー・スワンク版『硝子の塔』(93)といった感じ。ただし舞台は築60年以上の旧式アパートメントで、ハイテク設備は一切ナシ。犯人捜しを最後まで引っ張った『硝子の塔』と違って、映画開始30分ちょっとでストーカー犯をバラすという大胆な演出に目が点になりましたが、登場人物も少ないので、こういう見せ方もアリかな、と。

続きを読む

サービス精神旺盛なエンターテインメント映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

migp_wp6

先月末、都内某所で『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11)の試写に行ってきました。

ストーリーについても音楽についても、
これといった情報が出回っていなかったので、
予備知識ゼロで本編を見る事になりましたが、
そりゃもう期待通りのデキでございました。

続きを読む

IMMORTALS -神々の戦い-

immortals

ミッキー・ロークの凶悪ヒールっぷりを大画面で見たくて、『インモータルズ 神々の戦い』(11)を劇場にて鑑賞。

結論としましては、個人的に大満足の映画でした。何と言ってもロークの演じたハイペリオンの極悪非道っぷりが素晴らしい。登場キャラが多すぎて後半で影が薄くなった『アイアンマン2』(10)のウィップラッシュとは違い、ハイペリオンは最後まで見せ場があるし、テセウスとのラストバトル(肉弾戦)もなかなかの迫力。テセウス役のヘンリー・カヴィルも骨のある二枚目という感じで好印象。『TUDORS -背徳の王冠-』のブランドン役でもいい演技をしていたので、今後大成してくれるといいのですが。

監督が『ザ・セル』(00)のターセム・シンという事で、今回もヴィジュアルがギラギラ。そして斬首・串刺し・胴体輪切り・真っ二つ・頭部粉砕などの残虐描写が凄まじかった(一番ヒドいのは巫女様の蒸し焼きだったな・・・)。『ザ・セル』の時も馬の輪切りとか巻き上げ機(何を巻き上げたかはあえて言いませんが)とかのグロ描写が多かったし、ターセムという人はちょっとサドっ気のあるのかもしれない。

続きを読む

フェア・ゲーム

fair game

ダグ・リーマン監督、ショーン・ペン&ナオミ・ワッツ主演の映画『フェア・ゲーム』(10)を鑑賞。

70年代にアラン・J・パクラとかシドニー・ルメットが撮っていそうな、ものすごくシブくて、なおかつ非常によく出来た告発系ポリティカル・サスペンスでした。シンディ・クロフォード主演の同名C級アクション映画とは雲泥の差(そもそもジャンルが違うけど)。

プライベートでもイラク問題にはいろいろ言いたい事がありそうなショーン・ペンだけに、NYタイムズに「イラクに大量破壊兵器はなかった」という調査報告を寄稿する元ニジェール大使ジョー・ウィルソン役はまさにハマリ役。
よりによってアメリカ政府からCIA捜査官である事を暴露される悲劇のヒロイン、ヴァレリー・プレイムを演じるナオミ・ワッツも、薄幸さと意志の強さを兼ね備えた佇まいが素晴らしい(特にあの眼差しがステキ)。二人の演技の化学反応も凄まじい。過去に2回共演しているし、芝居の波長が合うのでしょう。

ダグ・リーマンといえば『ボーン・アイデンティティー』(02)とか『Mr.&Mrs.スミス』(05)の監督なわけですが、こういう重厚かつシブい社会派映画も撮れるのね。父親がイラン・コントラ事件を担当した弁護士のアーサー・リーマンらしいので、そういった硬派な遺伝子も受け継がれているのかも。
実話の映画化という事で、エンドクレジットでCIA捜査官の役名の名字部分が何人か伏せ字になってました。

続きを読む