エレクトリック・ミスト 霧の捜査線(In The Electric Mist):音楽について

in the electric mist

『エレクトリック・ミスト』の音楽を手掛けたのは、『スクリーム』シリーズでおなじみのマルコ・ベルトラミ。何でもベルトラン・タヴェルニエ監督が『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(05)の音楽を気に入って、「マルコ・ベルトラミに音楽を作曲してもらおう」と思ったらしい。僕はてっきりトミー・リー・ジョーンズが「この映画の音楽にはベルトラミがいいぞ」と推薦したものとばかり思ってましたが。

監督直々のご指名を受けたマルコさんは、ケイジャン音楽のリサーチのため、相棒のバック・サンダースと共にオールドアメリカン・ミュージックの大御所ダーク・パウエルのスタジオに籠もってケイジャン音楽を聞きまくったそうです。

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エレクトリック・ミスト 霧の捜査線(In The Electric Mist):映画について

トミー・リー・ジョーンズ主演の激シブ・ハードボイルド映画をDVDにて鑑賞。

ジェイムズ・リー・バーク原作のデイヴ・ロビショー・シリーズ第6作「In the Electronic Mist with Confederate Dead」を映画化した作品です。

ちなみにデイヴ・ロビショー・シリーズは、第2作「天国の囚人」が『ヘブンズ・プリズナー』のタイトルで1996年に映画化されてます(主演はアレック・ボールドウィン)。フィル・ジョアノー監督のクールな演出がなかなかカッコイイ作品でした。それにしても、ボールドウィンが演じた役をジョーンズが引き継ぐとは、ロビショーも15年で随分枯れちゃったなぁ、という感じ。まぁ似合ってますけどね。ジョーンズのロビショーも。

今回の『エレクトリック・ミスト』は、ロビショーが若い女性を狙った連続殺人事件を追ううちに、自分が40年前に目撃したある殺人事件の記憶が蘇り、2つの事件が同時進行していくというストーリー。養女のアラフェアや使用人のバティストなど、原作でおなじみのキャラが登場しているのが嬉しい。アラフェアを養女に迎えたいきさつも語られていて、きちんと『ヘブンズ・プリズナー』との関連づけがなされています。

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『イースターラビットのキャンディ工場』の音楽

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前回この映画について、「子供に付き合って映画を見に来たオトナを退屈させない作り」と書きましたが、それは日本語吹替えに限った話ではなくて、もともとの映画自体がそういう作りになってます。

主人公のイービーの声が、アクの強いR指定のコメディアンのラッセル・ブランドだし、80年代の人気スター、デヴィッド・ハッセルホフが本人役で特別出演しているし、プレイボーイ・マンションのシーンでインターフォン越しに喋っているのはヒュー・ヘフナー本人だし、ゲームソフト会社のシーンではブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ(本人)とイービーのジャム・セッションまで聞けてしまう。劇中、こんな感じで大人向けの小ネタがところどころに挿入してあります。

あとは劇中の挿入歌。イービーがハリウッドを放浪するシーンでポイズンの”Every Rose Has Its Thorn”が流れたり、フレッド(ジェームズ・マースデン)とイービーが末っ子の学芸会(?)でバウ・ワウ・ワウの”I Want Candy”を歌ったり(エンドクレジットではコーディ・シンプソンのカヴァー版が使われてます)、妙に懐かしい選曲。これは明らかに「いま現在小さいお子さんのいるお父さん・お母さん」対象の選曲でしょう。

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『イースターラビットのキャンディ工場』の日本語吹替え

HOP_US

先頃、都内某所で『イースターラビットのキャンディ工場』の試写を見てきました。実写とCGを組み合わせたファミリー向けのコメディー映画です。

主役のウサギ、イービーの日本語吹替えが山寺宏一氏、プータロー青年フレッド役のジェームズ・マースデンの吹替えが『天装戦隊ゴセイジャー』の千葉雄大という”宮城県出身コンビ”だったので、もしかしたらその縁で宮城県在住の自分がライナーノーツを担当する事になったのかしらん、と考えてみたり。ま、ただの偶然かもしれませんが。

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カーズ2(音楽について)

cars 2

今回の『カーズ2』(11)は個人的にイマイチ乗り切れなかったわけですが(前回のブログ参照)、それは映画を見る前に聞いたサントラ盤がなかなかイイ出来だったから。音楽の良さに期待を膨らませすぎた分、本編でのメーターの想像以上のジャージャー・ビンクスっぷりにガッカリ来てしまったと。

というわけで、本日はサントラ盤の事をダラダラと。今回のアルバムも前作同様「歌モノ+オリジナルスコア」という構成で、歌モノ5曲にスコアが21曲の全26曲収録。

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