悲しみ、憎しみ、そして虚無。 『手紙は憶えている』の音楽が描くもの(マイケル・ダナ名作選)

remember

先週、『手紙は憶えている』(15)を観てきました。
何というか…「すごいものを観てしまったな」というのが率直な感想です。

日本版の映画の公式サイトやチラシで「ラスト5分の衝撃」という”余計なお世話”な煽り文句が躍っておりますが、
この映画の場合「あんた この復讐をどう思う」というテーマがあまりにも強烈すぎて、
オチが読めたとか読めないとか正直どうでもよくなります。
アトム・エゴヤン監督と言えば、
「この世には 決して癒えない 傷もある」というテーマを描き続ける映像作家でありますが、
今回の『手紙は憶えている』は他人の脚本にもかかわらず、
物語を完全に自分の色に染め上げておりましたね…。

さてこの映画、
何を書いてもネタバレになりそうなので、
ストーリー分析とか感想は割愛。
ここではいきなり音楽について書かせて頂きます。

 

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