『ビール・ストリートの恋人たち』のニコラス・ブリテルの音楽は、ストリングスと管楽器で様々な愛の形を描く。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『ビール・ストリートの恋人たち』(18)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽は『ムーンライト』(16)でバリー・ジェンキンス監督と組んだニコラス・ブリテル。

映画のマスコミ試写が去年の12月中旬ぐらいにあって、
ライナーノーツ原稿の締め切りが年明けだったので、
ワタクシ年末年始にあらゆる資料を調べまくって、
ランブリングさんから頂いた音源を何度も聴いて、
(たぶん3, 4週間で70~80回くらいサントラを聴いたんじゃないかと思う)
正月休み返上で『ビール・ストリート』の音楽分析に取り組んだのでした。

普通、サントラの音源を何度も聴いているとお腹いっぱいになってくるものですが、
『ビール・ストリートの恋人たち』の音楽は全く飽きませんでした。
それどころか聴き終わったらまた最初から聴きたくなって、
つい再生ボタンを押してしまうほど。

なぜかというと、
どの楽曲もすごくメロディアスで思わず聴き惚れてしまうから。
そして聴けば聴くほど、音楽に込められたテーマが見えてくるから。

 

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第91回アカデミー賞の作曲賞は誰が受賞するのか考えてみた。

先頃アカデミー賞のノミネート作品が発表になりましたが、
仕事柄いつも作曲賞に注目しているワタクシと致しましては、
今年の作曲賞はちょっと驚きのノミネート結果だったなぁと思いました。

ゴールデングローブ賞の作曲賞を受賞した『ファースト・マン』がアカデミー賞には選ばれなかったというまさかの事態。
今年は「ゴールデングローブを制した作曲家がアカデミー賞も制す」という法則が適用されないわけで、こいつぁちょっとした事件ですよ!(大袈裟)

ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の作曲賞候補作を見比べてみるとこんな感じ。

76th Golden Globe Awards

『ファースト・マン』 ジャスティン・ハーウィッツ(受賞)
『ブラックパンサー』 ルドウィグ・ゴランソン
『犬ヶ島』 アレクサンドル・デスプラ
『メリー・ポピンズ リターンズ』 マーク・シャイマン
『クワイエット・プレイス』 マルコ・ベルトラミ

91st Academy Awards

『ブラックパンサー』 ルドウィグ・ゴランソン
『ブラック・クランズマン』 テレンス・ブランチャード
『ビール・ストリートの恋人たち』 ニコラス・ブリテル
『犬ヶ島』 アレクサンドル・デスプラ
『メリー・ポピンズ リターンズ』 マーク・シャイマン

『クワイエット・プレイス』と『ファースト・マン』が候補から外れて、
『ビール・ストリートの恋人たち』と『ブラック・クランズマン』が新たにINしてきたと。
「で、だれが作曲賞を受賞する?」という話ですよね。。

 

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ローレンスのブルーノート東京公演が最高すぎて、今夜もProbably Up!

先週は2日ほどお休みを頂きまして、
クライド&グレイシー兄妹のソウル・ユニット「ローレンス」のブルーノート東京公演を見てきました。

ワタクシは『Re:LIFE リライフ』(14)のサントラ盤ライナーノーツを書かせて頂いた時に、クライド・ローレンスに一度インタビューしておりまして、
日本でいち早くクライドさんの才能と音楽に注目していたというそれなりの自負があったりするのですが、
当時まだあまり名前を知られていなかったし、ましてや来日公演なんて夢のまた夢かなぁ、と思っておりました(メンバーが8人くらいの大所帯バンドだから、招聘が難しいだろうなぁと)。

あれから3年と数ヶ月。
最新アルバム「リビングルーム」をひっさげてブルーノート東京公演が実現するとは、いや~~いい時代になったものです。

ローレンスの曲はアルバムで何度も聴いていたのですが、
ライブでの生演奏も最高でした。


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