『スコット・ピルグリム vs. 邪悪な元カレ軍団』のサントラ(スコア盤)

Scott Pilgrim vs. the World (Original Score)

『スコット・ピルグリム』のハイライト・シーン(・・・というか、一番笑ったシーン)は、何の脈絡もなく”ヴィーガン警察”役でトーマス・ジェーンとクリフトン・コリンズJr.が登場したシーンでした。

黒のタンクトップ姿で大真面目に「ヴィーガン警察だ!」と名乗ったかと思えば、職務を遂行した後「イェーイ!」とか言いながら爽やかにハイタッチして去っていくアホっぷり。多分、あの二人は話の展開も分かってないままカメオ出演したと思われます。素敵すぎ。

ま、それはさておき。

愛とロックとビデオゲームがテーマ(多分)のこの映画、本編で使われた歌モノを収録したコンピ盤(通称”赤盤”)の他に、ナイジェル・ゴッドリッチのオリジナル・スコアその他を収録したスコア盤(通称”青盤”)がひっそりとリリースされてます。ただしダウンロードのみ。
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シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(音楽について)

a game of shadows

今回は『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』の音楽について書こうと思うのですが、例によってライナーノーツと同じ事をここで書いても意味がないので、何か別な事を書きたいと思います。

作曲は前作に引き続きハンス・ジマー(と一応ローン・バルフ)。「前作と同じ雰囲気の音楽」というレビューをよく見かけますが、2度3度とアルバムを聴き込んでいくと、「だいぶスコアのノリを変えてきたなぁ」と、最初とは違った印象を受けるのではないかと思います。
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『ドラゴン・タトゥーの女』:トレント・レズナーの音楽

the girl with the dragon tattoo

MOVIX仙台の木曜のメンズデーまで待ちきれなくて、公開初日に観に行ってきました。
期待に違わぬ見応えのある映画で、ワタクシ的には大満足。
やっぱりデヴィッド・フィンチャーの撮る映画は毎回クオリティ高いです。
(巷では評価がイマイチな『ゲーム』(97)も結構好き)

深みのある映像とシャープでエッジィな編集で、158分の長尺もあっという間。
「人間の心の闇」を巧みに表現する実力派俳優の顔ぶれも素晴らしい。
ダニエル・クレイグは翳りのあるいい役者ですねぇ。無骨な感じなのもイイ。
ジョエリー・リチャードソンも素敵なマダムだった(ちょっと年を感じさせたけど)。

オリジナル・スコアは『ソーシャル・ネットワーク』(10)に続いてトレント・レズナーとアッティカス・ロスの二人。前回の音楽も凄かったけど、今回の『ドラゴン・タトゥーの女』(11)のスコアも、かなり手の込んだ造りになってます。

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シリーズで最もキャッチーな『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の音楽

ghost protocol

やっとこさサントラ盤が手元に届いたので、
『ゴースト・プロトコル』(11)の音楽についてざっくりと。
音楽は前作『M:I:3』(06)に引き続きマイケル・ジアッキーノ。

前作の時は、映画誌のサントラレビューか何かで
「オケの編成がムダに大きい」とか手厳しい事が書かれてあって、
うーんそうかなぁ、とか思ってしまったのですが、
それと比べると今回はかなり音がシェイプアップされた感じで、
結果としてスコアのテンポもよくなっている印象。
『M:I:3』よりキャッチーなアルバムに仕上がっていると思います。

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フライトナイト/恐怖の夜

fright night

ヴァンパイア映画だけに夜のシーンとか屋内の暗いシーンが多そうだったので、3Dでなくあえて2D上映の回の『フライトナイト/恐怖の夜』(11)を鑑賞。
3Dメガネをかけると3割増しくらいで画面が暗くなるので、この選択は正解だったと思います。

オリジナル版は去年WOWOWで放送したやつを観ましたが、特に映画に思い入れがあったわけでもなく、「まぁ普通かなー」という印象でした。で、オリジナルでクリス・サランドンが演じたジェリー(ヴァンパイア)を今回はコリン・ファレルが演じているのですが、この人選がドンピシャ。コリンはこういうワイルドで傍若無人なキャラクターが最高にハマる。「チャーリー(アントン・イェルチン)が大人になるために乗り越えなくてはいけない障壁」としては申し分ない存在感と言えるでしょう。のび太に対するジャイアンみたいなもんです。

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