イリュージョン -The Woman in The Fifth-

ツタヤに行ったら、『イリュージョン』(11)なるイーサン・ホークの日本未公開作品がレンタル開始になっていたので借りてみた(イーサン・ホーク好きなので)。
共演はクリスティン・スコット・トーマス。
監督・脚本は『マイ・サマー・オブ・ラブ』(04)のパヴェル・パヴリコフスキー。
上映時間83分。やけに短いです。

離婚した妻とその娘を追ってフランスにやってきたスランプ気味の作家(ホーク)が、
現地で荷物を盗まれて文無しになったり、
胡散臭い男から怪しげな仕事を頼まれたり、
何だか謎めいたマダム(トーマス)と関わったりするうちに、
不条理な世界へズブズブとハマっていくお話。

DVDパッケージの裏とか予告編で「衝撃の結末」みたいな事が書いてあったけど、
どっちかというと「呆気にとられる結末」でした。”あのー、それで・・・?”みたいな。

 

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DARK SHADOWS(音楽について)

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ジョニー・デップ×ティム・バートンのタッグ作品という事で、それなりにスマッシュヒットが見込める映画と判断させたせいか、『ダーク・シャドウ』(12)のサントラは劇中使われた歌モノを収録したコンピ盤と、ダニー・エルフマンのスコア盤の2種類がリリースされました。

しかもスコア盤は配信のみとかではなく、ちゃんとしたプレスCDでのリリース。素晴らしい。

エルフマンの音楽は、オーケストラとコーラス隊、打楽器をドコドコ鳴らす「いつもの」スコア。滑稽さは抑えめにして、割と本格的なゴシックホラー音楽を聞かせてくれています。メインテーマのメロディーも、いかにもエルフマンらしい感じ。正確には「ティム・バートンと組んだ時のエルフマンらしいメロディー」と言うべきか。

本編を観る前にこのアルバムを聴いていたら、「『ビートルジュース』(88)みたいな映画なのかな?」なんて間違った先入観を持たずに『ダーク・シャドウ』の世界にどっぷり浸かれたのかもしれません。どうでもいい事ですが、アルバムのトリを飾る”We Will End You!”のイントロのリズムがQueenの”We Will Rock You”に似ている(ように聞こえる)のはワザとでしょうか。

活劇タッチの大仰なスコアもよいのですが、バーナバスとジョゼット(18世紀の元恋人)/ヴィクトリア(現代のワケあり家庭教師)の悲恋を予兆させる物悲しいスコアも素晴らしい出来です。

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DARK SHADOWS(映画について)

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ティム・バートン監督による「ちょっと変わったヴァンパイア映画」という宣伝文句(?)で公開中の映画『ダーク シャドウ』(12)観て参りました。

感想としては、「何か想像していたのと違う内容だったなぁ」という感じ。

「18世紀半ばにヴァンパイアにされて棺桶に入れられた男が、200年ぶりに蘇って大騒動を巻き起こす」というあらすじを聞いた時には『ビートルジュース』(88)みたいにメチャクチャな事をやってくれるのかと思ったのですが、あの映画ほどブッ飛んでいるわけでもなく、カルチャーギャップネタも控えめで、ホラー映画とカテゴライズするには『スリーピー・ホロウ』(99)ほど残虐でもない。「それなりによく出来てるけど、何か物足りない」という印象でした。

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Happy Birthday, Charlie!

今日はチャーリーさん(Charlie DeChant)の誕生日という事で、Booker T. Jonesがゲスト出演した回の”Live from Daryl’s House”からGreen Onionsの動画をお送りします。

いやー、この曲のグルーヴ感はいつ聴いてもカッコイイわ。
チャーリーさんのソロパートも、エリオットさん(Eliot Lewis)の堅実な鍵盤サポートっぷりもイカす。

どうでもいいけど、YouTubeのコメント欄に「ダニー・トレホがギターを弾けるとは思わなかった」って書き込み(英語)があるんですが、ポール・ペスコをトレホおじさんと言うのはちょっと無理があるのではないだろうか。

というわけで、チャーリーさんのアルバム『ライク・ザ・ウェザー』好評発売中です。

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マイケル・ダナ名作選 / エキゾチカ (1994)

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5/15にレーベルから『ケルティック・ロマンス』もリリースした事ですし、マイケル・ダナ&ジェフ・ダナのフィルモグラフィーを振り返る意味も込めて、彼らが手掛けたサントラを不定期で紹介していこうと思います。

1回目は何にしようかなと思ったのですが、1度聴いたら忘れられない楽曲の強烈なインパクトと、アトム・エゴヤンとマイケル・ダナの名前を一躍有名にした作品という事で、1994年の映画『エキゾチカ』(94)にさせて頂きました。

いかがわしい感じのナイトクラブ「エキゾチカ」に集う人々(ワケあり国税調査官、希少動物の密輸に関与しているペットショップのオーナー、ロリータ系ストリップ・ダンサー、ネクラそうなクラブDJ)の「何の接点もなさそうで、実は奇妙な線で繋がっていた」人間模様を描いたミステリードラマとでも申しましょうか。そこはかとなくエロティックで、陰鬱で、救いがあるのかないのかよく分からない内容は、いかにもエゴヤン映画といった感じ。

ダンサー役のミア・カーシュナーは『24 -TWENTY FOUR-』の女テロリスト・マンディ役で有名。共演はブルース・グリーンウッド、イライアス・コティーズ、ドン・マッケラーとこれまた胡散臭い面々。後にエゴヤン監督の『スウィート ヒアアフター』(97)で主演級の役を演じるサラ・ポーリーが脇役で出てます。

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