『裸の銃(ガン)を持つ男』3部作のサントラ盤は意外と洒落たシネ・ジャズですの巻

the naked gun

去年投稿しようとしたものの、
タイミングを逸してお蔵入りになっていたネタです。

あれは去年の夏だったでしょうか。
La-La Land Recordsから『裸の銃を持つ男』3部作のサントラ盤が出たので、
ついつい買ってしまったのであります。

『裸の銃』1作目は1988年、
2作目は1991年、
3作目は1994年だったみたいなので、
シリーズ完結から20年が経った計算になります。
当時の自分は中学・高校生ぐらいでしたねー。
このシリーズには笑わせて頂きました。
字幕でも十分面白いけど、
日曜洋画劇場放送版の羽佐間道夫氏の吹き替えが素晴らしかった。
『裸の銃』シリーズはアメリカン・コメディ映画史上に残る名作ではないかと思います。
(個人的に3作目はイマイチだったのですが)

1作目も2作目も決して上品な映画ではありませんが、
3作目は監督がデヴィッド・ザッカーからピーター・シーガルに代わったせいか、
下ネタの見せ方にちょっと洒落っ気が欠けている印象がありまして…。
何しろこの監督、2年後に『ナッティ・プロフェッサー2』(96)を撮った人ですから。

まぁそれはさておき、音楽の話です。
オリジナル・スコアの作曲は3作ともアイラ・ニューボーン。
『エース・ベンチュラ』(94)とか『大災難 P.T.A.』(87)の音楽を手掛けた方です。
『裸の銃』シリーズの元になったTVシリーズ『フライング・コップ』(82)の音楽を担当しているので、
そのまま映画版にも登板した形です。

 

「何でニューボーンが『フライング・コップ』に抜擢されたの?」となるわけですが、この経緯がなかなか面白い。
もともとこの『フライング・コップ(原題:Police Squad!)』というシリーズは、
リー・マーヴィン主演のTVドラマ『シカゴ特捜隊M(原題:M Squad)』のパロディという位置づけで、
このドラマのテーマ曲がスタンリー・ウィルソンやカウント・ベイシーのジャズだったので、
それじゃあ『フライング・コップ』の音楽もジャズで行こう!ということになり、
ジャズに精通した作曲家のニューボーンが抜擢されたという話です。
パロディ映画といえども(だからこそ?)細部まで徹底的にこだわる姿勢が素敵ですね。

したがって『裸の銃』シリーズの音楽も、
全編本気のジャズ調スコアに仕上がっているのです。
パトライトを点灯させた車がおかしな場所を走りまくるおなじみのオープニングタイトル。
あの痛快ビッグバンド・ジャズ風の音楽がスピーカーから流れてくると、
それだけでドレビン警部の顔が思い浮かんでニンマリしてしまいますねー。

オーケストラ・スコアは時にアルフレッド・ニューマン風でもあり、
かなり本格的な感じ。
映画本編ではギャグを連発しているけれども、
音楽ではことさら笑わせようとしていないところがポイントかと。
俳優が大まじめにバカをやり、
フザケた場面で真面目な音楽が流れることで生み出させる笑い。
それこそが『裸の銃』シリーズの神髄と言えるでしょう。

まぁ「笑い」の要素としては、
レスリー・ニールセンが歌うアメリカ合衆国国歌(1作目)や、
ベサメ・ムーチョ(2作目)が収録されていたりしますが。

 

サントラ盤は
1作目がスコアとソースミュージック込みで29曲60分弱、
2作目が28曲57分強、
3作目が36曲71分弱となかなかのボリューム。
1作目のソースミュージックとして収録されている、
野球場で使われたオルガン曲が結構ちゃんと作られていて面白いです。

それにしてもこのアルバム、
あえて「これ『裸の銃を持つ男』のサントラなんですよぉぉ」と言わなければ、
ジャズバーとかのBGMで流しても全く違和感ない音楽ですねー。
まぁドレビン警部の歌とか流れ出したらえらいことになるので、
店内でかける曲は選ばないといけませんが。

コメディ映画のサントラはなかなかセールスが伸びない傾向がありますが、
個人的に買ってよかったアルバムです。

 

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