BANGER!!!で書いた『メカニック』シリーズの音楽コラムの補足的なお話。

先日、BANGER!!!で『メカニック』(11)と『メカニック:ワールドミッション』(16)の音楽コラムを書きました。

ジェイソン・ステイサムは”乱暴な”ジェームズ・ボンド? 『メカニック』シリーズのギタリストが語るソリッドな音楽の魅力|BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/81423/

ワタクシ『メカニック』シリーズが好きだし、マーク・アイシャムの音楽も好きなのですが、第1作は国内盤サントラが発売されず、第2作は国内盤サントラが出たものの音楽解説の仕事が自分に回ってこなかったので、やっとこのシリーズの音楽についていろいろ書くことが出来て、本当に嬉しかったのです。

特に続編の『メカニック:ワールドミッション』では、知り合いのギタリストのBJ(ブライス・ジェイコブス)がギターを弾いていたので、サントラ盤の音楽解説の仕事が来たら実施しようと思っていた、彼へのインタビューがようやく実現しました。

『メカニック:ワールドミッション』オリジナル・サウンドトラック(amazon)
『メカニック:ワールドミッション』オリジナル・サウンドトラック(TOWER RECORDS)

で、コラムの文字数を限界まで使って原稿を書いたものの、それでも書き切れなかったネタがいくつかありましたので、こちらのブログで補足させて頂きます。

まず『メカニック』第1作のサントラ盤の販売形態ですが、映画公開当時、アイシャムの公式サイトの直販で「ASSASSIN’S EDITION」「COMPLETE COLLECTOR’S EDITION」「DOUBLE BARREL EDITION」の3種類が発売になってました。

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この日を待っていた…。『スカーフェイス』2枚組拡張盤サントラを買ったお話。

La-La Land Recordsから全世界5,000枚限定で発売になった『スカーフェイス』(83)2枚組エクスパンデッド盤サントラを買いました。この日が来るのをどんなに待ち続けたことか…。

映画の公開は1983年。通常盤サントラはジョルジオ・モロダーのスコア2曲に挿入歌8曲のコンピレーション盤で、モロダーのスコアを聴きたかったら、映画本編を観て楽しむしかないという状況が長いこと続いておりました。

映画公開20周年になったら完全盤サントラが出るのではないか、いや30周年目にはさすがに何か出すだろう…というように、映画公開から10年単位の節目に完全盤サントラの発売を待ちわびていたのですが、40周年を間近に控えた39年目にして遂に今回の2枚組サントラがリリースされたというわけです。たぶん、権利関係とかいろいろ厄介だったんでしょうね…。人気作だし。

コロナ禍は一向に収束することなく第7波に突入、ウクライナとロシアの戦争も長引いているし、日本国内も物価高に電力不足、地震も頻発しているし、治安もどんどん悪くなっていて、もう長生きしていてもいいことなんてないんじゃないかと思うようになってきましたが、こうして宿願だった『スカーフェイス』の2枚組拡張盤サントラが手に入ったので、ひとつだけいいことがあったなという感じです

SCARFACE Expanded Motion Picture Soundtrack (TOWER RECORDS:輸入盤)
SCARFACE Expanded Motion Picture Soundtrack (TOWER RECORDS:輸入盤国内流通仕様)
SCARFACE Expanded Motion Picture Soundtrack (amazon:輸入盤国内流通仕様)

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『マーベラス』のBANGER!!!コラムの補足:フォーテックの映画音楽作曲家としての方向性を探る

ランブリング・レコーズ様のご依頼で、映画『マーベラス』(21)の国内盤サントラに音楽解説を書かせて頂きました。
サントラはいわゆる劇伴集のスコアアルバムでして、作曲はフォーテックことルパート・パークス。90年代にUKのクラブミュージックシーンで「ドラムンベース界の鬼才」として名をはせたミュージシャンですね。

フォーテックというとワタクシ学生時代にアルバムを聴きまくったアーティストでして、「Modus Operandi」と「Solaris」は特によく聴いたアルバムでした。


BANGER!!!のコラムでもチラッと書かせて頂きましたが、自分の場合、フォーテックの曲は『ブレイド』(98)のエンドクレジットで流れた”Ni-Ten-Ichi-Ryu”と、プレステのゲームソフト『ワイプアウトXL』(96)の”The Third Sequence”で興味を持って、あの独特なリズム感のドラムンベースサウンドにハマった感じです。

復讐の暗殺者マギー・Q!『マーベラス』 はクールなエレクトロ・スコアも必聴!!
ドラムンベースの鬼才フォーテックが音楽担当
https://www.banger.jp/movie/80458/

ケミカル・ブラザーズやアンダーワールド、マッシヴ・アタック、ダフト・パンクが大作や話題作でスペシャル感のあるエレクトロニック・スコアを作曲しているのとは対照的に、フォーテックは日本未公開作や小作品のスコアを作曲する機会が多かったようです。
ジョン・パウエルの『ミニミニ大作戦』(03)で追加スコアの作曲を担当していたものの、単独で本格的なアクションスコアを作曲するのは今回の『マーベラス』が初めてということになります。

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ブライアン・フェリーの「Love Letters EP」とマヤ・ホークの「Blue Hippo」をデジタルダウンロードで購入。

ブライアン・フェリーが新EP「Love Letters」をリリースしたということで、MP3ダウンロードで購入しました。全4曲のカヴァー集で、収録曲は以下の通り。

  1. Love Letters
     ケティ・レスターが歌って1961年にヒットした曲で、作詞作曲はエドワード・ヘイマンとヴィクター・ヤング。
  2. I Just Don’t Know What To Do With Myself
     ダスティ・スプリングフィールドのヒット曲で、作詞作曲はハル・デヴィッドとバート・バカラック。
  3. Fooled Around And Fell In Love
     『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の最強MIXの中にも収録されていた、エルヴィン・ビショップの1976年のヒット曲。
  4. The Very Thought Of You
     ビリー・ホリデイやナット・キング・コールが歌ってヒットした、レイ・ノーブル作曲のスタンダード。
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BANGER!!!で書いた『ストレイ・ドッグ』音楽コラムの補足 / セオドア・シャピロはシリアス映画の音楽も素晴らしいという話。

先日、BANGER!!!で『ストレイ・ドッグ』(2018)の音楽紹介コラムを書きました。

ニコール・キッドマンが“心身ズタボロ”の刑事に!『ストレイ・ドッグ』の“重くて不吉な劇伴”に脂汗!! | BANGER !!!
https://www.banger.jp/movie/78197/

ワタクシは20年近くセオドア・シャピロの音楽を聴いているので、彼の野心作『ストレイ・ドッグ』の音楽について是非あれこれ書きたい!と思っていました。
しかしサントラもCDプレス盤では発売されなかったし、国内盤も発売されなかったので、何か書くならBANGER!!!さんしかないだろうということになり、『シンプル・フェイバー』(18)に続いてシャピロの音楽をご紹介することになりました。今更ながら、『シンプル・フェイバー』と同じ年に全く異なるサウンドの『ストレイ・ドッグ』の音楽を作曲していたというのは凄いことですね…。

まぁ書くべきことはほとんどコラムの中で書いてしまったので、当方のブログでは細かいネタの補足と、ワタクシのシャピリストとしての歴史を書かせて頂こうかなと思います。

…というわけで、まずはコラムの補足から。

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