ロックなヘンゼルとグレーテルの音楽はまさに Baroque’n’Roll!!

hansel

TSUTAYAにて『ヘンゼル&グレーテル』(13)のDVDをレンタル。
去年都内某所で一緒にお茶したアトリ(・オルヴァルッソン)さんが、
「あの映画の作曲は面白かったなぁ」
…と言っていたので観てみようかなと。
この映画、結局劇場未公開のままDVDスルーになってしまいましたなぁ。

一時期『不思議の国のアリス』とか『白雪姫』とか『オズの魔法使い』とか、
有名な童話をアレンジして実写化するのがハリウッドでブームになりましたが、
この映画もその時期に作られたもの。
「大人になったヘンゼルとグレーテルは凄腕の魔女ハンターになっていた!」…というお話。
レザースーツに身を包んだヘンゼル(ジェレミー・レナー)とグレーテル(ジェマ・アータートン)が、
ファムケ・ヤンセン率いる魔女軍団とドツキ合いを繰り広げます。

MTV FILMS製作で、
プロデューサーがウィル・フェレルとアダム・マッケイ、
(『俺たちニュースキャスター』(04)などの主演&監督コンビ)
監督のトミー・ウィルコラは元ドラマーという事で、
全編ヒジョーにロックなノリのB級ファンタジー映画に仕上がってます。

 

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検証:『ウルヴァリン:SAMURAI』の音楽はなぜマルコ・ベルトラミでなければならなかったのか

wolverine

先頃映画館に観に行った『ウルヴァリン:SAMURAI』(13)。
今の時期に映画本編のレビューを書いても、
何だかタイミング的にビミョーな気がするので、
テーマを音楽に絞って何か書いてみようかなと思います。

『ウルヴァリン:SAMURAI』の監督ジェームズ・マンゴールドは、
作品ごとに毎回異なる作曲家と組んできた人。
(それが意図的なのか単にご贔屓の作曲家がいないのかは不明)
ところが今回、過去に起用した作曲家と初めて再び組む事になりました。
その作曲家はマルコ・ベルトラミ。
傑作西部劇『3時10分、決断のとき』(07)以来、実に6年ぶりのタッグです。

『X-MEN』シリーズなら『ナイト&デイ』(10)で組んだジョン・パウエルでもいいだろうし、
(パウエルは『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』(06)の音楽もやってるので)
『アベンジャーズ』(12)や『キャプテン・アメリカ』(11)、『G.I.ジョー』(09)など、
近年アメコミ映画づいている『”アイデンティティー”』(03)のアラン・シルヴェストリという選択肢もあったのに、
なぜベルトラミに白羽の矢が立ったのか。

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ジェフ・ダナ名作選 / ザ・ターゲット:陰謀のスプレマシー (2012)

 The Expatriate

『ケルティック・ロマンス』のアーティスト、
マイケル・ダナ&ジェフ・ダナのフィルモグラフィーを振り返る不定期連載企画。
ちょっとご無沙汰してました…が、このネタまだまだ続いてます。

今回は弟のジェフの作品から、
『陰謀のスプレマシー』(12)を選んでみました。

邦題からは『ボーン・スプレマシー』(04)の二番煎じ的な匂いがプンプンするのですが、
劇場公開時は『陰謀のスプレマシー』だった邦題が、
DVD発売タイトル時には『ザ・ターゲット/陰謀のスプレマシー』にプチ改題。
「陰謀のスプレマシー」というのは日本語(英語?)表現的に合ってるのか?という気もいたしますが。
ちなみに原題は『The Expatriate』と言いまして、
さらにアメリカだと『Erased』というタイトルになったり、
映画タイトルがブレまくってます。一体どうしたんでしょうか。

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『エリジウム』で熱演を見せている俳優たちを総チェック!

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9/20公開のSFアクション映画『エリジウム』(13)。
映画を観る前に、あるいは映画を観終わった後、
忘れがたい演技を見せてくれた俳優たちをチェックして頂きたいと思い、
主要なキャスト/キャラクターをまとめてみました。

まず主人公のマックスを演じるのはマット・デイモン。
「昔不良少年、今は真面目な工場労働者」というブルーワーカーを熱演。
キレのある殺陣は『ジェイソン・ボーン』シリーズで披露済みですが、
今回はあれとは違った「生々しくて痛々しい格闘戦」がなかなか新鮮です。
似合っているのか似合っていないのかよく分からないスキンヘッドも迫力満点。

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私立女子校の校長先生っぽいエリジウム防衛省長官デラコート役はジョディ・フォスター。
鼻持ちならない政府官僚のトップを演じております。
キャラ的には『インサイド・マン』(05)の辣腕弁護士役の系統かな。
もともとの脚本ではデラコートは男の設定だったそうですが、
まぁそういう意味(どういう意味?)でもフォスターは適役ではないかと。
ちなみに常時着ているスーツはジョルジオ・アルマーニがデザインした特注品。

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要注目! 新進気鋭の作曲家ライアン・アモンによる『エリジウム』の音楽

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前回のつづき。
何で自分が『エリジウム』(13)の日本最速試写を観られたかというと、
この映画のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂く事になったからです。
仕事のお声がけを頂くまでは、
「『エリジウム』の音楽は『第9地区』(09)のクリントン・ショーターじゃないんだぁ」
「ライアン・アモンってどういう人なのかなー」などと呑気にしていたのですが、
嬉しい事に自分がライナーを書くという事態になり、
慌てて資料をかき集める事になった次第です。

何しろ今回が映画音楽初挑戦のコンポーザーなので、資料が少ない。
試写も日本最速試写だったのでまだプレス資料が出来上がってなかったし。
キリアン・マーフィーの『Watching the Detectives』(07)という日本未公開映画の追加音楽を担当したらしいのですが、
マネージメント事務所の公式資料にはその事が掲載されていなかったりして、
情報の扱いがいろいろ難しい。
ハッキリ分かっているのは、City of the Fallen名義で映画の予告編音楽を作曲しているという事。
基本的にユニット名だと思うのですが、一応社名として登録されているらしいです。
最近は予告編音楽がアツいですね。Two Steps From Hellとか。

 

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