スティーヴン・キング/『ビッグ・ドライバー』を読む。

big driver

先週、スティーヴン・キングの新刊『ビッグ・ドライバー』を読み終えました。
4編の中編小説を収録した『Full Dark, No Stars』のうち、『ビッグ・ドライバー』と『素晴らしき結婚生活』の2編を収録したもの(残りの2編は『1922』に収録)。
原作者のキング曰く「不愉快で手厳しい(=Harsh)」作品だそうです。

 

図書館の講演会からの帰り道、暴漢に襲われて殺害されかかるも、辛くも一命を取り留めた女性作家テスが、自分を襲った相手への復讐を決意する『ビッグ・ドライバー』。

長年連れ添ってきた夫の「裏の顔」に気づいてしまった平凡な主婦の、恐怖と疑惑に満ちた日々を描く『素晴らしき結婚生活』。
キング自ら”Harsh”と言うぐらいだから、どちらも残虐描写が結構キツい。

『ビッグ・ドライバー』で心身共にボロボロになったテスの描写は痛々しいし、『素晴らしき結婚生活』のほうも、自分の夫が殺人鬼だと知って動揺する主婦ダーシーの心理描写が実に生々しい。ダーシーと夫のボブが対峙するシーンのネットリした会話劇も不気味極まりない。まさに”Harsh”。

続きを読む