『ダークナイト ライジング』のサントラ盤ボーナストラックを検証する

the dark knight rises

おとといAmazonから『ダークナイト ライジング』(12)の輸入盤が届きました。
自分の場合、最終的に940円で買えてしまいました。

「輸入盤とはいえ、超大作のサントラが940円で買えちゃっていいのかなぁ…」などと、柄にもなく円高ドル安をはじめとする経済情勢などあれこれ考えてしまって、非常に複雑な心境になりました。

さて今回のサントラ盤、15曲で52分弱でした。

THE DARK KNIGHT RISES – Original Motion Picture Soundtrack (amazon)

本編が2時間44分ある事、そして前作『ダークナイト』(08)のサントラ盤が収録時間73分強(特装版のDISC2は50分強)だった事を考えると、ボリューム的に何か物足りないという印象があります。この場合のボリュームというのはあくまで収録時間や収録曲数的な話で、音楽の出来はまた別のお話。

が、しかし。どうやらこれはレーベル側も計算ずくの売り方のようで、アルバムをいろんな形態でリリースし、それぞれ違ったボーナストラックをつけて稼ごうという思惑らしい。

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レーベル5周年記念/『Chasing The Grail』プライスダウンのお知らせ

New Grail300

月日が経つのは早いもので、本日7/19でウチのレーベルも5年目を迎えます。
世間一般でいうところの5周年。いわゆるひとつの5th Anniversary。

まぁ5周年といっても、これといって何か特別な事をやってきたわけでもなくて、「気がついたら5年経っていた」という程度のものなのですが。

とはいえ、リリースしたアルバムが売れなければレーベルはやっていけませんし、去年の震災で名実共に会社がツブれる可能性だってあったわけです。折からの不況や震災にもメゲず、何とかここまでやってこれたのは、ひとえに弊社をいろんな形でサポートして下さっている方々と、CDやダウンロード形式でアルバムを購入して下さっている皆さまのおかげであります。

この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
本当にありがとうございます。

 

というわけで、日頃のご愛顧に感謝して何かしなければ…と思ったわけですが、まずはFOZZYの『Chasing The Grali』をレーベルショップ限定で感謝価格でご提供させて頂こうかなと。5周年だから500円引きで2,020円。

ジェリコさんも休養期間(?)から現場に戻ってきたし、最近は往年の「愛すべきおバカヒール」に戻りつつあるし、FOZZY未体験の方にバンドの音楽を聴いて頂くにはちょうどいい時期かなーと思います。とりあえずしばらくはこの価格で行こうかなと考えておりますので、この機会に是非という事で。

何はともあれ、Marigold Musicを今後ともよろしくお願い致します。

クリス・ジェリコ関連商品

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バンシィ(BANSHEE)についての考察

banshee

『機動戦士ガンダムUC』のep5、「黒いユニコーン」で狂った感じの大暴れを披露したユニコーンガンダム2号機、通称「バンシィ」。

アームド・アーマーVN/BSの凶悪な破壊力がなかなか恐ろしいMSだったわけですが、「バンシィ」と聞くと、『女神転生』シリーズを遊び倒した自分はつい妖精族の悪魔(この表現は語弊がありますが、ゲーム内での通称・俗称という事でご了承下さい)「バンシー」を思い出してしまうのです。

実際、ユニコーンガンダム2号機の方の”バンシィ”も、名前の由来はこのメガテンシリーズに登場するアイルランドの死の妖精と同じようです。

宝島社刊の『真・女神転生II 悪魔大辞典』によると、バンシーというのは「一般的に天寿を全うせずに死んでしまった美しい乙女」で、「由緒正しい旧家の人間や音楽の才能がある者の家に近づき、その家の者が死ぬ時に現れて泣き叫ぶ」不吉な妖精なのだとか。

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リゾート感覚のジャズ・スコアが心地よい『ラム・ダイアリー』の音楽

rum diary

映画本編は個人的にイマイチだった『ラム・ダイアリー』(11)ですが、
音楽(サウンドトラック)はなかなかよかった。
もしかしたら、映画を観る前にサントラを聴いて、
「音楽がこのクオリティなら映画もイケるはず!」と、
期待値をガーッと上げてしまったのがマズかったのかもしれません。

オリジナル・スコア作曲はクリストファー・ヤング。
本作のブルース・ロビンソン監督とは『ジェニファー8』(92)で組んだ事があるのですが、
ロビンソンがほぼ20年ぶりにメガホンを取った作品で、
ヤングに再び作曲を依頼するというこのエピソードがまず素晴らしい。

で、本作のためにヤングが書き下ろしたのが、
リゾート感覚溢れる珠玉のラテン・ジャズ・スコア。
ラテン・パーカッションやギター、ハモンド・オルガンが織りなすグルーヴが実に心地よいのです。
スコアによってはジャズのみならず、ブルース調の曲もあり。

ヤングというと『ブラックサイト』(08)とか『スペル』(09)とか、
ホラー・サスペンス系のスコアで有名ですが、
『ラウンダーズ』(98)、『ワンダー・ボーイズ』(00)、『シェイド』(03)など、
ジャズ・スコアも非常に巧い作曲家でもあります。
今回はその流れ。今回もジャズ・アルバムとしてのクオリティーはかなり高いです。

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決め手には欠けるけど、愛すべき映画ではある『ラム・ダイアリー』

rum diary (more music)

1998年の映画『ラスベガスをやっつけろ以来親交を暖めてきた、
ジョニー・デップ(主演・製作)と故ハンターS・トンプソン(原作)のコンビによる最新作。

『ラスベガスをやっつけろ』が大好きで、
何十回・何百回と観た自分としては、
今回の『ラム・ダイアリー』(11)も非常に楽しみだったのですが…。
いざ本編を観てみると、何か物足りなかったなーという印象でした。

映画の内容をひと言で申し上げるなら、
「酔っぱらいジャーナリストの南米珍道中」という感じなのですが、
何しろ前回の『ラスベガスをやっつけろ』がああいう調子だったので、
あれと比べると酔っぱらいの珍道中というにはそれほどハチャメチャではないし、
胡散臭いアメリカ人実業家(アーロン・エッカート)にケンカを売る展開もイマイチ迫力に欠ける。
原作者トンプソンの分身とも言える主人公ポール・ケンプに関しても、
この頃はまだトンプソンも若くて大人しかったのか、
あるいはテリー・ギリアムに比べるとブルース・ロビンソン監督は真面目な人だったのか、
ハメを外しきれていないという感じ。

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