ネイサン・ファーストのオーケストラ・スコアがアツい『ニード・フォー・スピード』の音楽

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『ワイルド・スピード』シリーズの音楽は、
3作目の『TOKYO DRIFT』(06)からブライアン・タイラーがブイブイいわせてますが、
では『ニード・フォー・スピード』の音楽は誰が手掛けることになったのか。
こちらはネイサン・ファーストという作曲家がスコアを書き下ろしています。

無名の作曲家、異例の抜擢…というわけでもなく、
スコット・ワウ監督とファーストは『ダスト・トゥ・グローリー』(06)、『ネイビーシールズ』(12)でコラボ済。
今回も「昔からの付き合い」でタッグを組んだという感じです。
(ワウは『ダスト・トゥ・グローリー』の製作と撮影監督を担当していました)
日本ではまだ紹介される機会の少ない作曲家ですが、
本作ではなかなかいい音を鳴らしているので要チェックです。

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『ニード・フォー・スピード』はメイキング映像を観てから本編を鑑賞するのがいいと思う

NFS_01

目黒川の桜が咲くか咲かないかの頃、
仕事で『ニード・フォー・スピード』(14)の試写を観てきました。
同名ゲームソフトシリーズの実写映画化作品でございます。

カーアクション(ストリートレース)物というと、
どうしても『ワイルド・スピード』シリーズを思い浮かべてしまうわけですが、
なかなかコイツも面白かった。
同じカーアクションを扱っていても、方向性はかなり違うなという印象でした。

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『アメイジング・スパイダーマン2』の「エレクトロのテーマ(My Enemy)」で何をつぶやいているのかを検証する

amazing spiderman2

先日『アメイジング・スパイダーマン2』(14)が劇場公開になりましたが、
ワタクシ仕事が立て込んでいてまだ観ていないんですよねー。
何とか今週中には観に行く予定ですが。

しかしサントラ盤は2枚組限定版のやつを既に購入済みでして、
毎日のようにジマーさんの傑作スコアを聴きまくっているのですが、
今回も創意工夫に溢れた面白い音楽を作っているなぁ、と感銘を受けた次第。

中でも本作のヴィラン、エレクトロ(ジェイミー・フォックス)のテーマが興味深い。
ナイン・インチ・ネイルズを彷彿とさせるノイジーなインダストリアル・テクノに、
「マックスの頭の中に響いているであろう声」を重ねるというアイデアが秀逸であります。
どうやらジマーさんのアイデアというより、
The Magnificent Sixの一員として参加したファレル・ウィリアムズのアイデアらしいですが。

何度も何度もエレクトロのテーマ「My Enemy」を聴いているうちに、
自分のような凝り性で探求癖があるサントラマニアは、
「これってどんなことを歌ってる(つぶやいている)のかしら?」と思ってしまうわけです。

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追悼ボブ・ホスキンス -マイケル・ダナ名作選/『フェリシアの旅』(99)-

felicias journey

当初は別なネタを書くつもりでいたのですが、
先日twitterでボブ・ホスキンスの訃報を知り、
自分なりにいろいろ書きたいことが出てきたので予定を変更しました。

僕が初めてボブ・ホスキンスを観たのは、
『ロジャーラビット』(88)の地上波放送(確か日テレの「金曜ロードショー」)だったと思います。
地上波なので当然吹替え版だったわけですが、
故・内海賢二氏のアテレコも素晴らしい、個人的に思い出深い作品です。

その後いろいろとボブ・ホスキンスの出演作を観てきましたが、
『ニクソン』(95)のエドガー・フーバー役や『スターリングラード』(01)のフルシチョフのような「実在の人物」系、
『ダニー・ザ・ドッグ』(05)や『ハリウッドランド』(06)のような「コワモテ」系も存在感抜群だったし、
主人公を陰でサポートする『ステイ』(05)や『ドゥームズデイ』(08)の助演もよかったですね。
何ともユーウツな内容だった『必殺処刑人』(07)も、チョイ役ながら凄味の効いた演技にシビれました。

そんな彼のフィルモグラフィの中でひときわ異彩を放っていたのが「不気味な男」系のキャラ。
今回ご紹介する『フェリシアの旅』(99)の孤独な殺人鬼役がこのカテゴリーに相当するのではないかと。
…というわけで前置きが長くなりましたが、
『ケルティック・ロマンス』のアーティスト、マイケル・ダナ&ジェフ・ダナのフィルモグラフィーを振り返る不定期連載企画。
久々となる今回はマイケルの作品から『フェリシアの旅』(99)のサウンドトラックをご紹介します。

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