ワイルド・スピードMEGA MAX(映画について)

fast five comp

先月上旬に内覧試写に行ってきたのですが、これがめっぽう面白かった。

シリーズ5作目で、しかも上映時間が2時間10分と聞いた時には「こりゃいろいろ詰め込みすぎてダレるのでは?」と思いましたが、ドラマの見せ方やアクションの演出が巧いので、長さを全く感じさせませんでした。「シリーズ最高傑作」の売り文句はダテじゃない。

今回はこれまでの『ワイルド・スピード』シリーズに登場したドミニク&ブライアンの仲間たちがほぼ全員登場するのですが、役割分担が的確かつキャラ設定がしっかりしているので、「この人要らなくない?」というキャラが一人もいないのが素晴らしい。

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『マイ・ボディガード(原題:Man on Fire)』のサントラを補完してみる

man on fire_OST

というわけで、久々にこの企画をやってみようかなと。
『マイ・ボディガード』(04)のサントラ盤はハリー・グレッグソン=ウィリアムズのスコア・アルバムなので、補完というより本編でどんな既製曲が使われたかを検証していくって事で。
さすがに全部は追っかけられないので、有名どころをかいつまんで、という感じになりますが。

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CHLOE

chloe

アトム・エゴヤン監督作『クロエ』(09)を見てきた。

このタイミングならDVD化されるまで待っていてもよかったんですが、エゴヤンの映像美とマイケル・ダナの官能的な音楽の融合を劇場で味わってみたかったので、あえて映画館にて鑑賞。

夫デビッド(リーアム・ニーソン)の不倫を疑った妻キャサリン(ジュリアン・ムーア)が、若く美しい娼婦クロエ(アマンダ・セイフライド)に「自分の夫を誘惑して、彼がどんな行動を取ったか報告してほしい」と”仕事”を依頼した事から、夫婦関係・親子関係が破綻していくというお話。「疑惑」と「嘘」がジワジワと人間関係を蝕んでいく展開とか、キャサリンとクロエが倒錯した性の世界にのめり込んでいくアヤしい展開なんかは、いかにもエゴヤン映画というノリ。とはいえ、この映画を「悪女もの」とか「官能サスペンス」とジャンル分けするにはあまりにも悲しい物語ではありますが。

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エレクトリック・ミスト 霧の捜査線(In The Electric Mist):音楽について

in the electric mist

『エレクトリック・ミスト』の音楽を手掛けたのは、『スクリーム』シリーズでおなじみのマルコ・ベルトラミ。何でもベルトラン・タヴェルニエ監督が『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(05)の音楽を気に入って、「マルコ・ベルトラミに音楽を作曲してもらおう」と思ったらしい。僕はてっきりトミー・リー・ジョーンズが「この映画の音楽にはベルトラミがいいぞ」と推薦したものとばかり思ってましたが。

監督直々のご指名を受けたマルコさんは、ケイジャン音楽のリサーチのため、相棒のバック・サンダースと共にオールドアメリカン・ミュージックの大御所ダーク・パウエルのスタジオに籠もってケイジャン音楽を聞きまくったそうです。

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『イースターラビットのキャンディ工場』の音楽

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前回この映画について、「子供に付き合って映画を見に来たオトナを退屈させない作り」と書きましたが、それは日本語吹替えに限った話ではなくて、もともとの映画自体がそういう作りになってます。

主人公のイービーの声が、アクの強いR指定のコメディアンのラッセル・ブランドだし、80年代の人気スター、デヴィッド・ハッセルホフが本人役で特別出演しているし、プレイボーイ・マンションのシーンでインターフォン越しに喋っているのはヒュー・ヘフナー本人だし、ゲームソフト会社のシーンではブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ(本人)とイービーのジャム・セッションまで聞けてしまう。劇中、こんな感じで大人向けの小ネタがところどころに挿入してあります。

あとは劇中の挿入歌。イービーがハリウッドを放浪するシーンでポイズンの”Every Rose Has Its Thorn”が流れたり、フレッド(ジェームズ・マースデン)とイービーが末っ子の学芸会(?)でバウ・ワウ・ワウの”I Want Candy”を歌ったり(エンドクレジットではコーディ・シンプソンのカヴァー版が使われてます)、妙に懐かしい選曲。これは明らかに「いま現在小さいお子さんのいるお父さん・お母さん」対象の選曲でしょう。

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