サポートミュージシャンに愛と関心を… 『バックコーラスの歌姫たち』

20feet from stardom

映画『バックコーラスの歌姫たち』(13)を鑑賞。
有名アーティストのライブやスタジオレコーディングでバックコーラスを務める、
「知る人ぞ知る」女性シンガーたちのドキュメンタリー映画。
(「無名の」という表現はちょっと失礼な気がするので使いたくないですね)

うちのレーベルも「ホール&オーツのバックミュージシャン」である、
エリオットさん(key)やチャーリーさん(sax)のアルバムをリリースしているので、
なかなか興味深い内容でございました。
「面白い映画」というより、いろいろ深く考えさせられる映画とでも申しましょうか。
自分が多少なりとも音楽業界で仕事をしているからというだけでなく、
一人の音楽好きのリスナーとしても、
「いい加減な気持ちで音楽聴いちゃいけないな」と改めて思った次第です。
好きなアーティストの曲を聞く時は、
バックシンガーやサポートミュージシャンの演奏もキチンと聞いて差し上げるのが、
そのアーティストへの礼儀というか何というか。

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追悼 かしぶち哲郎氏/『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』サントラ盤

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『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(以下ポケ戦)。クリスマスシーズンのブログ用に寝かせておいたネタだったのに、まさかその間にかしぶち哲郎氏の訃報を聞く事になるとは…。

自分はムーンライダーズのヘビーリスナーではなかったのですが、かしぶち氏の名前は子供の頃から知っていました。
なぜならポケ戦のOVAを観ていたから。
かしぶち氏はこのシリーズの音楽(オリジナル・スコア)を担当されていました。

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『47RONIN』で「投げっぱなし」と言われているあの伏線を検証する

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まだまだ『47RONIN』(13)の話が続きます。
「いい加減飽きた」という声も聞こえてきますが、
もうしばらくお付き合い下さい。

この映画、予算超過とか追加撮影とかいろいろゴタゴタしたらしいのですが、
これが監督デビュー作だったカール・リンシュも、さぞかし大変だった事でしょう。
『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』(08)でスティーブ・クーガンが演じていた、
新人映画監督デミアン・コックバーンみたいな状況だったのではないかと。

まぁ、あのデヴィッド・フィンチャーですら、
監督デビュー作の『エイリアン3』(92)で修羅場を経験したわけですから、
リンシュも今回のゴタゴタにメゲずに頑張って頂きたいところです。
映像センスは確かなものを持っていると思うので。

今回は映画を観た人の中で「伏線投げっぱなし」と批判されている、
あの「天狗の刀」について自分なりに検証して書いてみようかなと。

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『47RONIN』でいい味を出しているあの助演キャラについて

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この映画をご覧になった方のうち、
一体何人の人がこういう見方をしたか分かりませんが、
『47RONIN』(13)に登場する脇役キャラで最も印象に残るキャラを一人挙げるなら、
やはり大石内蔵助の片腕兼足手まといだった安野(羽田昌義)ではないかと思います。
何というか…安野のヘタレっぷりがいい味出してるんですよ、これが。

 

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皆さんイロモノ扱いしてるけど、『47RONIN』には評価すべき点もありますよ、という話

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『47RONIN』(13)を公開初日に観て参りました。

公開日が何度も延びたとか、
追加撮影とかVFX作業が遅れて再編集作業が遅れたとか、
作曲家が交代したとか、
あまりいい話を聞かなかったので、
一体どんな映画になったのかと内心ハラハラしていたのですが、
思った以上に頑張っている作りだったので安心しました。
というか、僕は結構楽しめました。
先日twitterにも書きましたが、
この映画は「おりえんたる・あくしょん・ふぁんたじぃ大作」なんだなぁ、と。
赤穂浪士の物語をベースにして、ファンタジー映画を作っちゃうよという。

何しろこういう映画ですから、
あそこがヘン、ここがヘンとツッコミながら映画を観る人も多いと思うのですが、
あんまり重箱の隅をつつくような見方をしても楽しくないですし、
多分それを聞かされる方もあまり面白くないような気もしますので、
個人的にはもっと広い心で本作を観て頂きたい所存です。
まぁ僕がキアヌ・リーブス好きなので、
単に贔屓目に観てしまっているだけかもしれませんが、
「ヘンな映画だと思ってたけど、あの場面は結構よかったね」という感じで、
愛のある目線で楽しんで頂きたいと思います。

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